ターミネーター２

　冒頭、21世紀、機械と人間との戦争が描かれる。タイトル・バック、炎に燃え る児童公園。
　ターミネーターとＴ1000の登場。裸のターミネーター、酒場で服を貰う。煙草 を押し付けた者はガスコンロに、ナイフを突き立てた者にはナイフを、と眼には 眼をの攻撃が共感を誘う。Ｔ1000は警官に、パトカーも頂いて利用する。悪い方 が有利な立場でゲームが始められる。
　少年ジョンとの出会い。間一髪Ｔ1000の手前で。そのままカーチェイス。少年 が敵味方を間違えて逃げ惑うという、あらかじめ予想できる、じれったい場面は ない。少年は養母に連絡を取ろうとする。養母に化けて待つＴ1000、ターミネー ターも少年の声を使い、犬の名前を巡って事態を悟る。
　少年の母サラ・コナーは精神病院に。脱獄を計る凶暴な囚人。ひとりでコンピュ ーター会社を破壊しようと企てて捕まる。六カ月おとなしくして普通病棟への移 動を願うが、見抜かれてまた半年延期。サラはまた脱獄を企てる。
　Ｔ1000は次にサラに化けると予想される。母を救いに行く少年、従うターミネ ーター、病院に向かうＴ1000。Ｔ1000は警官に化けているので安々と侵入できる。
　あわやで脱出成功、追うＴ1000、逃れる三人。この辺り、サラの逞しさ、Ｔ1000 の奇抜さを描いて楽しい。
　国境近くのアジト。未来を語るターミネーター。コンピューター技師、ダイソ ンの所へ単身向かうサラ。
　ダイソンの暖かい家庭、殺し切れぬサラ。ふたりの登場。腕をめくるターミネ ーター。理解を示すダイソン。サラ「水爆を作ったのもあなたのような人だ、未 来の事は考えないでそんな事をする。本当に何かを作るというのは命を作る事、 女にしか出来ない事」戦争批判、産業批判、フェミニズム批判が込められている。
　コンピューター会社への潜入、ひとり不在だったガードマンが警察へ通報、警 官隊とＴ1000とが来る。銃撃戦、マイコン・チップの爆破、Ｔ1000は三人を追跡。
　一同は製鉄工場に、Ｔ1000は液体窒素を運ぶタンクローリーに乗り、横倒しに なったまま、工場へ。凍って、バラバラになるＴ1000、昔のハリウッド映画なら ここで終わりだ。溶けてまた元に戻る。Ｔ1000とターミネーターの死闘。傷付き ながら、銃を取ろうともがくターミネーターだが、止めを刺される。
　補助エネルギーを作動させるターミネーター。Ｔ1000を追い詰めるサラだが、 あと一発弾丸が足りない。ベルトに乗って現れるターミネーターが止めを刺す。 熔鉱炉で溶けるＴ1000。
　すべては終わったかに見える。だが、ターミネーターは頭のチップを処分しな いといけないと言う。少年の涙を理解するターミネーター。鎖に乗り、サラがス イッチを押す。静かに炉に降りるターミネーター。

寸評
　機械と人間との戦争は、「新造人間キャシャーン」の影響です。 こっちはこっちで、「誇り高き戦場」なんかをパクってました。
　感動のラストは、「ポセイドン・アドベンチャー」のジーン・ハックマン神父を連想させます。神のご加護を。