プリティ・ウーマン

　ビビアンのアパート、玄関に家主が来ているので、非常階段から出る。三階、梯子は上げ下ろしの出来る仕組み。
　ニューヨークから来た実業家のエドワード、ハリウッド見物に繰り出す。
　先輩メイが縄張りからよその娼婦を追い出す。メイの助言でエディのクルマに近付くビビアン。道を聞かれる。
　ホテル・ビバリー某のフロントで揚がってしまうビビアン。部屋は最上階、莓とシャンパンを頼む。会社から電話あり、一週間後、取引先のパーティがあり、女連れで行った方が良い。ビビアンを一週間契約。妻も恋人も居たがと語るエディは愛する事に臆病になっている。
　ビビアン、メイに電話、ドレスが必要。ロデオ・ドライブを推められる。娼婦服で買い物に行くビビアン、あなたに売る服はないと断られる。しょげて帰るとホテルでも邪魔者扱い。エディとの関係をはっきりさせた上で交渉を持つ。どこでも締め出されるヒロイン。頼まれついでに支配人にドレスの手配を頼み、さらにテーブル・マナーを教わる。往年のブルーバード映画みたい。
　エディが乗っ取りを企んでいる造船業モース親子と会食。すでに筆頭株主。会社を乗っ取って、その資産を売却し利益を上げるのが目的。相手は仕事を続けたがっている。駆逐艦の仕事が入れば金が入ると口説くが、それは予算委員会を通らなかったとエディは一蹴。政府に手を回したなと息子に罵られる。
　ホテルに帰るふたり、ぐったり疲れている。あなたはあの社長に惚れているから無理だと見抜かれるエディ。買収は成功させる、君と同じで俺達はカネで動くと語るエディ。カネで動くビジネスマンは娼婦と同じだという見解が示される。
　翌日、ドレスの話から再びロデオ・ドライブへ繰り出すふたり。帽子、衣裳、靴、装身具等がきらびやかにヒロインを飾る。前の店を冷やかしに寄るビビアン。やっぱり金も大事だという見方が示される。一括しないが現実的。
　モース造船所の息子が選手をしているのでポロを見物に出かける。顧問弁護士、この頃様子が変だと心配する。遠くで、息子と親しげに話すビビアン。あの女とは別れた方が良い、産業スパイかも知れないと迫る弁護士。嫉きもちも手伝い、相手を安心させる必要から、街で拾った娼婦だと打ち明けるエディ。ビビアンがひとりになった所へ近付く弁護士。腕を触り、今度相手をしたいと言い、サングラスで肩を叩いて去る。
　ホテル、ぷりぷり怒っているヒロイン。訳を話し、釈明を聞くが、聞き入れず、エレベーター前に立つ。こんなドレス着なきゃ良かった、いつもの恰好で居れば、あんな弁護士蹴っ飛ばしてやれたのにと怒る、勝ち気なヒロイン。あなたの友達みんなで回し者にするつもり、という言葉が胸を刺す。謝って思い留まらせるエディ。
　着飾らせてオペラに誘うエディ。ホテル従業員の好意的な眼。素直に感動するビビアン。明日は休みなさいと迫る。翌日、公園の木陰でのんびり過ごす二人。会社、社長が休むと聞いて面喰らう弁護士。
　株主会議、全員を外に出し、モースの父親と二人だけで話をしたいと申し出るエディ。買収分割は止め、造船を続ける事を進める。全員にそれを発表。心中穏やかならぬ弁護士。
　ホテルのリムジンの送迎を受けるエディ、途中の公園でクルマを止め、裸足で芝生の上を散歩するエディ。
　呼応するかのように、ホテル内を裸足でうろうろするビビアン。そこに弁護士が来る。試算だが十億ドルの儲けが不意になったと怒りをぶち撒ける弁護士。ビビアンを襲い、上にのし掛かった所でエディが来る。喧嘩別れする二人。ビビアンを介抱しながら、このロサンゼルスで高級アパートを借りるから、そこに住んで街に立つのは止めてくれと申し出るエディ。気安く抱き着いてくる男が後を断たないだろうと撥ねつけるヒロイン。決して娼婦扱いしている訳じゃないと迫るエディ。電話。してるくせに、と独語するヒロイン。
　メイと公園で会うビビアン。
　約束通り一週間分の報酬を貰って安アパートに帰るビビアン。支配人は最後に、あなたと知り合えて良かったとまで言う。その計らいでホテルのリムジンに送られるビビアン。すべての報酬はエドワード財団からの奨学金と称してメイにおくる。
　翌日、荷物をまとめるビビアン、メイは美容士になる勉強を始める。ニューヨークへ発つ為、空港へ向かうエディ。フロントで宝石を返すよう支配人に頼む。エディの気持ちを知って、いきさつを話す支配人。途中、花を買って行き先を変える。道に群がる鳩を追い散らかして、ビビアンの安アパートにリムジンが乗りつける。あの非常階段、梯子を降ろし、狭い通路にびびりながら昇るエディ。迎えに降りるビビアン。めでたし、めでたし。

寸評
　ファッション中心の恋愛映画でありながら、金儲け優先の時代批判を込めた作品。