用心棒

　親の家を飛び出して用心棒志願する道楽息子。手首をくわえた犬、仲介屋を買っ て出る十手持ち、繁盛する棺桶屋、出入りの前に逃げ出す侍、つくづく汚れきっ た宿場町を見せる。
　三船は清兵衛の方につく。出入りのあとで殺す算段を立ち聞きする。勢いをかっ て本日出入り。三船、丑寅の前で清兵衛方を抜ける。けしかけておいて、高みの 見物を決め込む三船。観客と眼線を共有する。
　役人が逗留して休戦、引っ張りだこの三船、丑寅、隣の宿場で役人を切り、見 回り方の眼をそらす。双方手打ち、あぶれて面白くない浪人たち。三船、隣宿場 で手を下した二人組を捕捉、清兵衛方に売る。双方をけしかける。
　丑寅方、切れ者の三男が帰り、すぐに敵の息子を捕えて人質交換を申し出る。 交換の場、元手下を殺して息子を渡さない。清兵衛方は女を引き出す。その女は 丑寅方の贔屓の旦那の愛人で、子持ちの貧乏人から博打のかたに取り立てたもの。
　息子と愛人の交換、三船は丑寅方につき、見張り六人を殺し、女と家族を逃が す。丑寅、敵の倉に火をつけ、清兵衛、敵の酒倉を壊す。
　丑寅、三船の裏切りに感づいて捕える。拷問、何とか逃げる三船。丑寅は清兵 衛を皆殺しにする。棺桶から一部始終を見守る三船。ここも客と同じ視線。棺桶 屋が逃げて、丑寅方の二男に運ばせる演出。
　飯屋の親爺が吊されて決闘。道楽息子は見逃す。

寸評