天国の日々

　78年米、監督テレンス・マリック、撮影ネストール・アルメンドロス


　セピアで三十年代アメリカの労働者、生活を映す。
　シカゴの鉄鋼所、ユダヤ人上司に睨まれて殴り、失業するビリー。
　恋人のアビーと妹を連れて、季節労働者として農場で働くビリー。夕方のみ撮 影する農場風景が美しい。流れ者には宿舎さえなく、藁山に眠る。馬と同じ扱い。
　農場主がアビーに興味を持つ。妹と思っている。若く家族も無く、病弱な農場 主。妹リンダの評、貰った花一輪さえ一生大切にするような人。放って置けない という気持ちにさせる。
　川の浅瀬で足を洗うビリーとアビー。そそのかすビリー。惨めな境遇から抜け 出すには思い切った事もしないと。早死にを希望してもいる。
　農場主とアビーの結婚。昼の景色が多くなる。リンダ評、金持ちは遊んでばか りで、働く事を忘れる。
　農場主の命を狙うビリー。複葉機二台、道化師の訪問。娯楽に飢えている時代 の様子。早朝にアビーを連れ出すビリー。複葉機とともに去るビリー。
　農場主、アビー、リンダの三人の生活。
　バイクに乗って帰って来るビリー。
　台所でのリンダ、虫を見つける。再びの収穫期、今度は蝗の大発生、全員総出 で駆除に当たる。アビーとの仲を怪しんだ農場主、ビリーに喧嘩を売る。ランプ から火が付き、農園が火に包まれる。
　拳銃を手にビリーに迫る農場主、その胸にビリーのナイフが刺さる。
　農園を後にする三人、クルマや家財を船に換えて川下り。
　岸で休む三人、警官隊が船を押さえる。森の中で追われ、川で撃たれて死ぬビ リー。
　街をさすらうアビー、街娼がライバル視する。しかし、人の流れのまま出征列 車に乗り込むアビー。結局は同じ道を辿りそうだが、今のところは罪の無さ、呑 気さを感じさせる。ここの所、街娼の視線で撮っている。
　施設に入れられたリンダ。友人とともに脱走。友人は頼りにしていた男に振ら れる。線路を行くふたり。幸多かれと祈らずにはいられない。

寸評
　こちらに面白い解説があります。
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