ダイ・ハード

　日系企業中富グループのクリスマス・パーティ、楽隊付きの会場、上司の信頼厚いホリィ、ホリィを口説く髭の同僚。
　空港に降りたマクレーン刑事をリムジンが出迎える。これは社長の差し金。ひょうきんな運転手。中富ビルにて、ホリィは旧姓を使っている事を知るマクレーン。
　社長に迎えられるマクレーン。あなたの奥さんはよくやってくれていると言う。会社から表彰されているホリィ、収入の格差を感じる。私室で麻薬を吸う同僚。別室で話し合の場を持つ夫婦。そこへアベックがなだれ込む。風紀の乱れを感じさせる。喧嘩してひとり残されるマクレーン。
　ガードマンを殺して強盗一味がビルを占拠する。パソコンを使ってビルを封鎖。電話線パイプを電気のこぎりで切断する荒っぽさ。リムジン運転手との通話中に電話が切れる。パーティ会場で銃を乱射して全員を人質に取る一味。辛くも逃れるマクレーン。
　社長を出せとの一味の要求。社長が名乗り出る。毎日変わるパスワードを喋べらない社長。殺される。黒人技師が解読を始める。すべてはマクレーンの眼の前で。
　火災警報装置を鳴らすマクレーン。消防車が来るが、犯人が警報ミスと電話を入れたので引き返す。警報が鳴ったのは31Ｆ。首領は部下を見に行かせる。格闘の末、倒した部下をクリスマス・プレゼントとしてエレベーターで送るマクレーン。殺された者の兄貴はいきり立つ。一部始終をマクレーンは見ている。
　屋上、奪ったレシーバーで特殊回線を通して警察に通報するマクレーン、通信職員は取り合わない。取り合えずパトカーを一台回す。このやり取りはレシーバーを通して犯人側にも聞こえる。電波が一番よく通るのは、屋上という訳で、三人の部下を屋上へやる首領。地上では、ドーナツを買い込んでいるパウエル巡査部長がパトロール要請を受ける。
　屋上で銃撃戦、追い詰められたマクレーンは動力室からエレベータ開口部、さらにダクトを使って逃げる。銃に紐を付け、狭い穴から階下のダクト口に入る場面はスリル満点。ここで犯人二人を射殺。マクレーンはプラスチック爆弾、起爆装置などを手に入れる。
　パウエルがビルに到着、何の不審も見られず。引き返すパトカーのボンネットに、上から犯人の遺体が落ちて来る。さらに銃の乱射。警官隊の出動要請。
　ビルはパトカーに囲まれる。しかし、これも犯人にとっては折り込み済み。戦闘態勢を整える犯人。レシーバーと無線で連絡を取り合うマクレーンとパウエル。
　衣服のラベル、煙草の銘柄、精巧な偽造身分証明書から、犯人はヨーロッパのテロリスト・グループだと推測するマクレーン。副本部長は取り合わない。犯人側の声明、世界的テロリストの釈放、人質を返す為に屋上にヘリを用意する事。
　警官隊、装甲車の強硬突破、これに応えるロケット弾。装甲車は爆発炎上。逃げようとする乗員をさらに撃とうとする首領。助命を願うマクレーン。首領は聞かない。プラスチック爆弾を付けた受像機を椅子にくくり付け、エレベータ開口部に落とすマクレーン。三階辺りで大爆発。フロア全体が火に呑まれ、炎は開口部をも上がって来る。
　ＦＢＩが到着。現場の指揮権が変わる。相手にされない副本部長。ＦＢＩは電気を止める。これで金庫が開く。債券、金、骨董を掻き集める犯人。六億ドルに登る額。犯人はテロリスト崩れの強盗である。
　ホリィの髭の同僚が犯人と単独で交渉。マクレーンの正体を明かす。犯人はマクレーンの持つ起爆装置が欲しい。要求に応じないマクレーン。首領は同僚を殺し、他の人質も次々に殺すと脅迫する。電波を傍受しているテレビ局のソーンバーグ特派員。ニューヨーク市警ジョン・マクレーン刑事の素性を洗う。
　屋上を見回るマクレーン、丸腰の首領ハンスに出会う。芝居をして人質を装うハンス。煙草を吸い、銃を手渡すマクレーン。引き金を引くハンス。だが、弾は出ない。そこへ仇敵の兄貴が首領を救いに現れる。階下へ逃げるマクレーン、追うふたり。マクレーンは裸足だからガラスを狙えと指示する首領。足を傷付けながら、辛くも逃れるマクレーン。起爆装置は敵の手に。
　傷を癒すマクレーン。疲れ切って交信する相手はパウエル。子供の話などして和む。どうして現場から内勤に変わったんだとの問いに、少年を撃ったんだと心の傷を話すパウエル。それから人を撃てなくなったと話す。
　ホリィ宅へソーンバーグが乗り込む。通せんぼをするメキシコ人女中に、移民局に連絡するぞと脅すソーンバーグ。テレビ・スクープ、人質女性と刑事の子供たちの顔。ジョンとホリィのつながりが犯人に割れる。
　ヘリが現場へ向かう。犯人は人質を全員屋上へ追いやる。ホリィだけは手元に残す。ハンスがなぜ屋上をうろついていたのかに思い至ったマクレーンは再び屋上へ。そこで仕掛けられた爆薬を見付ける。ＦＢＩのヘリに引き返すよう指示を送るマクレーン。そこへ兄貴が発砲、指示は届かず。格闘、手強い相手、首に鎖を巻き付けて、辛くも勝利するマクレーン。すぐさま屋上へ。
　右往左往する群集に階下へ帰るよう叫ぶマクレーン。誰も言う事を聞かない。空に向かって銃をぶっ放すマクレーン。ヘリのＦＢＩは犯人と間違えて、マクレーンを狙う。マクレーンは消火栓のホースを体にくくり付けて屋上から逃れる。首領が起爆装置を押して、屋上は爆発、引火したヘリは墜落。低予算映画には見えないスペクタクル。主人公が命がけのゆえ。
　窓ガラスに銃を撃ち、再びビル内に入るマクレーン。地下駐車場では、リムジンの運転手が運搬車の手配をしている黒人技師を片付ける。
　ホリィと債券を手に逃亡を計る首領。残る手下はふたり。ひとりを銃で殴って倒したマクレーン。首領はホリィを楯に使う。マシンガンを捨てるマクレーン。その背中にはガムテープで拳銃が。弾は二発。ホリィと叫ぶなり、瞬時に仕留めるマクレーン。首領はホリィの手を掴んだまま窓から落ちる。ホリィを道連れにしようとする首領。会社から貰ったロレックスの時計がはずれて、地に落ちる首領。面白過ぎる。
　晴れて地上に降りるマクレーン。パウエルと抱き合う。しんみりした間合い。がなり立てる副本部長。生きていた兄貴が銃を手に現れる。間一髪、ふたりを救うパウエル巡査部長。これはおまけ。ソーンバーグがインタビューに現れる。顔面パンチを見舞うホリィ。「今の撮った？」

寸評
　ネットでもよく言われるけど、痛みの感じられるアクション。ブルース・ウィルスは、逞しさよりも、疲れや汚れを表現するのがうまい役者です。