００７／ゴールドフィンガー

　アジトを爆破、ウェットスーツを脱ぐと白いスーツ、何気ない顔でクラブへ。 麻薬工場を片付けたと報告。ベリー・ダンサーと眼が合う。最後の仕事。
　ダンサーと抱き合っている所、その眼に賊が。ダンサーを身代わりに殴らせて 格闘、風呂に浸けて感電。実に鮮やかなオープニング。
　プールサイドで女の子に按摩をさせている。結構な身分だなと上司、女に持て て当たり前という設定ではなく、仕事は出来るが酒と女で脱線するという設定。
　ゴールドフィンガーのいかさまポーカー、部屋へ入ると女が望遠鏡で覗いて通 信している。ゴールドに損をさせて、女を抱くボンド。冷蔵庫を開けた所を何者 かに殴られて気絶。起きると、女はベッドの上、金粉を塗られて倒れている。大 人の世界、スパイの世界は怖いと、まざまざと感じさせる。
　ゴルフ場、ゴールドと引き合わされるボンド。パットに集中するゴールドの前 に金塊を落として失敗させる。ボールのトリックでボンドの勝ち。舐めた真似を するなと、用心棒のシルクハットで石像の首を撥ねさせる。さらに、ゴルフボー ルを握り潰す用心棒はハロルド坂田。
　用心棒のクルマを追って工場に潜入。密輸した金塊を冶金している。
　クルマで逃走、煙幕とオイルで逃げるが、「フレンチ−」以降のカーチェイス に馴れた眼には面白くない。当時はクルマの追走劇にはこういう手法しか無かっ た。しかし、助手席に乗った人間が屋根ごと放り出されるアイディア等は、ダイ ハード２に生かされている。
　クルマ樹にぶつかる。仇討ちに来た妹、シルクハットで殺される。この時代、 簡単に女を殺している。男ばかりが殺し合った戦後の恨みか。
　レーザー光線による処刑、作戦の一端を掴んでいる事を匂わせて難を逃れる。
　機中の人、プッシー・ガロア機長、世話はアイリーン。銃を突き付けられて気 圧の話。
　米ボルチモア、シンジケートの運び屋を集めて演説、フォート・ノックスの金 を狙う。四万五千の兵をどうするんだと親分衆。ゴールドフィンガーはこの作戦 に十五年をかけた。
　ボンド、天井に隠れるトリックで見張りの眼をくらまし脱走。作戦内容を聞く が、ガロワに捕まる。
　ボスを乗せたクルマ、そのままスクラップにされる。スクラップ工場の詳細な 描写。
　ボンドとゴールドの会話、腹の探り合い、百人がかりで運べない金塊をどうす るのか。核爆発を起こし、五十八年間汚染させて使えないようにする。兵を眠ら せるガスも、実は殺人用のものだろうと見破る。
　小屋でガロワと柔道の投げ合い、協力させる。
　作戦実行、セスナ機が上空を通ると、行進する兵がばたばたと倒れて行く。潜 入、原爆とボンド、手錠でつながれる。
　坂田との格闘、勝ち目ない。ボンドが投げ損なったシルクハットを取りに行っ た所を、先に切られた配線で感電させる。コマンドーに受け継がれている。アク ション映画は変わってない。
　爆弾処理に手こずるボンド、駆け付けた上司がスイッチを切って爆破七秒前。 年輩にも見せ場がある。
　ワシントンへ向かうボンド、その飛行機はゴールド・フィンガーによって乗っ 取られている。不用意に銃を撃ち、自ら外へ吸い出されるゴールド・フィンガー。 ガロワは気絶寸前。ふたりしてパラシュートで助かる。

寸評
　アクション映画の基本、人を夢中にさせるだけの物はある。ボンドと紹介して も、みんな知らん顔をする所が好感が持てる。