メアリー・ポピンズ

風にのってきたメアリー・ポピンズ

　　パメラ・Ｌ・トラヴァース、林容吉訳、岩波書店、1963。

東風

　桜町通り十七番地の家、そこの一番小さい家には、バンクスさんと、奥さんと、四人の子供がいる。長女ジェイン、長男マイケル、まだ赤ん坊の双子のジョンとバーバラ。料理番のブリル婆、女中エレン、庭師ロバートソン・アイ。
　子守のケティ婆さんがいなくなって、後釜を新聞で募集する。寒いのでコートを二枚着て出勤するバンクスさん、ブーム提督の家を見上げながらシティへ出社。
　どんな人が来るかと心待ちにする子供達、門前に人影。長身の女性で、帽子を被り、大きなバッグを下げている。ジェインとマイケルの見ている前で、風に運ばれるその人。門から庭へ、庭から玄関へ。
　夫人と来客との面接。世話のかからない良い子という夫人に対して、ふふんと鼻を鳴らす来客。保証人を立てるのは旧式な考えとはねつける来客。二階へ案内する夫人。
　階段の手すりの上に腰をかけ、すうっ、と滑り上がる来客。
　メアリー・ポピンズと子供達との紹介。フフン、と鼻を鳴らし、引き受けるメアリー。まるで自分が来る事が、バンクス家の名誉であるかのように。
　子供の問いに答えて、絨毯でできたバッグを開けて見せるメアリー。日用品のほかに、「ねる前にひとさじ」と書いた薬の壜。あなたの薬との問いに、マイケルの薬だという答え。
　食べてみると、ストロベリーの味。ジェインが食べると、それはライム・ジュースの味。メアリーが飲むと、それは「ラム・パンチ」
　かつて子供の着替えに手間どったケティ、メアリーはひと眼みただけで服を脱がしてしまう。風がかわるまでは居てやろうと言うメアリー。

外出日

　休みは二週に一度の木曜日と言うと、上流では週に一度と返事をするメアリー・ポピンズ。それが通る。
　木曜の午後、ひとりで外出をするメアリー。よその窓の前で、帽子を直し、上着を整え、こうもり傘を小脇に抱える。
　マッチを売りながら、道に絵を描くマッチ売りのバート。バナナ、リンゴ、エリザベス女王の絵を描いた所へメアリーの登場。二人は恋人だが、今日は２ペンスの持ち合わせしかないバート。いつも食べる木莓ジャムの菓子の当てが外れたので、溜め息をつきそうになるが、彼氏の顔を見てにっこり笑うメアリー。
　往来に描いた絵に沿って歩くふたり。雪山、海辺、様々な絵に見取れる。今日はここへ行こうとメアリーの手を引くバート、二人はすでに絵の中。
　青い芝生に花壇、赤と緑の縞の上着を着たバートに、羽根帽子を被ったメアリー。
　少し歩くと、そこにはテーブルと、午後のお茶の用意。木莓ジャム菓子に、ニシ貝まで、茶を入れる給士人。「お支払いには及びません、おいで頂いただけで光栄です」
　奥のメリー・ゴー・ラウンドに乗り、七時には閉めると言う給士人に押されて、公園を出るふたり。舗道の中にある絵を見て、顔を見合わせて笑うメアリーとバート。

笑いガス

　ウィッグ叔父さんを訪ねるメアリー・ポピンズ、ジェイン、マイケルも同行。銀ボタンの付いた青い上着、青い帽子を被ったメアリー、タバコ屋の店先で帽子を直す。そこは三面鏡になっているので、それが嬉しいメアリー。
　ロバートソン通り三番地の二階、訪ねると、茶の用意はすっかり整っているのに主がいない。どこかと尋ねると、天井から声が聞こえる。
　空気に座っているような様子で、新聞を読むウィッグ叔父さん。訳を話そうにも、あまりの笑い上戸で話せない叔父さん。
　誕生日と金曜日が重なる、その日に笑うと笑いガスが溜まって体が浮いてしまう。笑ってはいけないと思うと、ますますおかしく、手にした新聞は読めないし、眼鏡はずり落ちる状態。
　それを見たジェインとマイケル、堪え切れず笑い、天井についてしまう。笑いガスは伝染するらしい、椅子をすすめるウィッグ叔父。
　ひとり下に残されたメアリー・ポピンズ、神妙な顔で、生まれてこの方、このような有り様は見た事がありません。おまけに良い年をして、とつむじを曲げる。
　笑うどころか、微笑む気配さえなしに、同じ所に立つメアリー。
　四人は天井だが、テーブルは下にある。何か真面目な事を考えて下に降りようと提案するウィッグ。マイケルは学校の事を思い、ジェインは大人になる事を思い、ウィッグは身内のエミリー叔母の事を思い、意に反してげらげら笑ってしまう。
　メアリーに頼むと、テーブルはがたがた動き出し、部屋をひと回りして天井にやって来る。お茶、バター付きパン、お菓子を食べる。
　世話役のミス・パーシモン、ポットを持って登場。何事ですと驚く間に、その体が浮き始める。ポットを置いて、泣いて帰るパーシモン。あの年じゃ、痛手は消えまいと同情するウィッグ。
　帰る時間と言うなり、床に落ちる三人。笑いガスが抜けた。それを見て、ゆっくり降りるメアリー。
　帰りのバスの中、メアリーに寄り沿って話をむし返す二人。わたしの叔父さんは、真面目で、正直で、仕事に精を出す人です、としらばっくれるメアリー。

ラークおばさんの犬

　ブーム提督さえ羨ましがるラークおばさんの家、門がふたつもある。親類友人の門と、パン屋、肉屋、牛乳屋の入る門。
　絹のような毛をした愛玩犬のアンドリュー、まるでペルシャ王のような暮らし。絹のクッション、床屋で爪研ぎ、外套は四つ、ご飯にはクリームが付き、時にはかき。みんなの笑い者。
　アンドリューを鼻で笑うマイケル、それをたしなめるメアリー・ポピンズ。実は、今の生活にうんざりしているアンドリュー。生肉が食べたいし、遊び相手はいつも野良犬。
　その親友の野良犬は、近所のもの笑いの種。エアデールとレトリーヴァの雑種で、両方の悪い面ばかり継ぐ。道で喧嘩があれば、必ずその場にいるし、郵便や警察とごたごたを起こすし、一番好きなのはゴミ箱を漁ること。
　公園をひとり走るアンドリュー、メアリー一行と会う。ワン、ワンと吠えるので、道を教えるメアリー。子供らに訳を聞かれても、すまして答えないメアリー。
　アンドリューを探すラークおばさん、通りがかるメアリー一行。そこへ帰宅する、野良を連れたアンドリュー。おばさんの言う事を聞かないので、翻訳するメアリー。
　友達と一緒でなければ家に入らない。雑種は石炭部屋に入れると言うと、だったら自分も石炭部屋に入ると言うアンドリュー。
　宿無しウェイフか、ストレイかと問われた野良の名は、ウィロビー。さらに、床屋や外套はやめてくれと言うアンドリュー。
　アンドリューはとんちきじゃなかったと見直すマイケル。

踊る牝牛

　耳が病気のジェイン、ハンカチで頭をしばって寝ている。退屈なので、マイケルが窓の外に映る事をぜんぶ話してくれる。
　ブーム提督の出勤、女中の買い物、やがて通りを牛がやって来る。その牛はメアリーの知り合い。昔話をするメアリー・ポピンズ。
　かつて、キンポウゲやタンポポの咲く野原で仔牛の世話をしていた赤牛、月夜に急に踊り始める。それはポルカ、ハイランド踊り、ホーンパイプ踊り。踊りははしたないものと思っていた牝牛、しかし、楽しくて止められない。一週間も踊りが止まらないので、王様にお目にかからねばと思い詰め牝牛。
　自分で綱を引いて門をあけ、庭に入り、宮殿の階段を登る牝牛。
　廷臣や侍女に囲まれて、法律を作る王様。そこへ踊り込む牛。踊りが止まらない、一週間も踊り続けていると訴える牝牛。じっと考える王様、牛の角に刺さった星を発見。廷臣に命じて星に綱をかけて引っ張るが、抜けない。調査を命じられた書記官、百科全書から月を跳び越した牝牛の記述を見つける。
　庭に引き出された牝牛、月を跳んで見せよとの王の命令。合図とともに跳び立つ牝牛、月の輝きを越えたと思うと、星が取れている。星の消えた方からは、素晴らしい音色の音楽が聞こえ、空一面に響く。
　降りたところはタンポポの野原、以前のように平静な暮らしが始まる。しかし、不意に踊りたくなった牝牛、またあの星を付けようと、この桜町通りにまで探しに来る。

わるい火曜日

　朝から機嫌がわるく、いけない子のマイケル。毛布を離さず、メアリーにまで口応え。お湯をひっくり返して女中を困らせ、料理番のブリル婆の向こう脛を蹴り、思わずのし棒を落とすブリル婆。
　わざと日曜日にしか着ない上等の上着を着て、父親の書斎に入ってインクで肘を汚す。隣の庭に行っては、アンドリューのしっぽを垣根に結ぶマイケル。
　乳母車を押すメアリー一行との散歩。今朝は、ベッドの悪い方の側から起きたとたしなめるメアリー。
　マイケルを先に歩かせるメアリー、道の真ん中に落ちている磁石を拾わせて、それを取り上げる。
　これで世界を回るというメアリー、「北！」と叫ぶ。冷たい風が吹いて、周囲に雪が積もり、公園の景色はなくなってしまう。乳母車の双子に毛布をかけるジェイン。氷の固まりの中から、エスキモーの男が姿を現わす。
「ようこそ北極へ、メアリー・ポピンズのお仲間」
　あとに続くエスキモーの婦人、赤ん坊をあざらしの皮で包んでいる。クジラのスープを御馳走しようと言うところを、お邪魔している訳にゆかないと断るメアリー。
　磁石を回して「南！」と叫ぶメアリー。すると、まるで、メリー・ゴー・ラウンドの真ん中へ特別な計らいで入れて貰ったように、世界がぐるぐる回り出す。
　だんだん暖かくなって、止まったところはヤシの樹の下。見渡す限り、金の砂、銀の砂で、足の下は焼けるような熱さ。真っ黒な男女、ほとんど裸で、かわりにビーズ玉を身に付け、羽根の冠を被っている。女の膝にはブドウ色の赤ちゃん。
スイカでも切ろうというのを断って、また磁石を動かすメアリー。今度は「東！」　世界が回って止まった所は、小さな家の並んだ町。そった屋根の端には小さい鈴、庭には桃や梅。膝まで伸びた上着、裾をしぼったズボンの中国の高官が迎える。かたじけなくもと長い出迎えの言葉、知遇のすそに連なる我らがと、負けずに礼を返すメアリー。そして、「西！」
　今度は広い松林の中、切り開いた場所には焚火があり、それを囲んでテントを張っている。そのテントから、ひときわ大きな人の登場。暁の星のメアリー、まひるの太陽の王、と呼び合う仲。インディアンの子と追い掛けっこをするマイケル、気が付いた時には元の公園の中。
　帰宅、メアリーの眼を盗んで双子を泣かすマイケル、夕食の牛乳もこぼしてしまう。
　眠る前、机の上に磁石を見つけるマイケル。夢中で「北、南、東、西！」と叫ぶ。背後に迫る大きな影、メアリーかと振り向くマイケル。そこに居るのは、槍を持ったエスキモー、こん棒を持った黒人女、剣を持つ中国の大官、斧を構えるインディアン。悲鳴を上げると、メアリー・ポピンズの腕の中。
　寝る前のミルクを、少しづつ、ちびりちびり飲むマイケル。

鳥のおばさん

　帽子に付けた花を、店のショウ・ウィンドウに映して見取れるメアリー・ポピンズ。いるだろうか、いないだろうかと、心配しながら歩くマイケルとジェイン。
　やって来たのはセント・ポール寺院。広場いちめんに鳩、その片すみに一袋二ペンスで餌を売る鳥のおばさん。
　メアリーの帽子の花をついばんで取る鳩、機嫌を壊して去るメアリー。仕方なく続く兄弟。
　みんなが去った後、広場中の鳩は集まって、鳥のおばさんのスカートの陰に隠れる。という話。

コリーおばさん

　ジェイン、マイケルを連れ、乳母車を押して買い物をするメアリー・ポピンズ。品の良い若い客は珍しいので、ちょっとした会話を楽しみたい肉屋。怖い顔でそれをたしなめるメアリー。
　痩せこけた魚屋、パンと水だけで育てられたよう。
　家へ帰りたがる子供達、次の買い物がジンジャー・パンと聞いて眼の色を変える。いつもと違う店へ行くメアリー。
　いちいち金紙の星飾りを付けたジンジャー・パンの並ぶ店、現われたのは大柄なファニーとアンニー。二人とも内気、さらに奥から小柄なコリーおばさんが現われる。乳母車の双子を相手に、指の手品を見せる。二本の指を折り取って与え、その後に新しい指が生えている。双子が口にしているのはムギあめ。
　ジンジャー・パンを十三個売って、紙の星はどこにしまうかと尋ねるコリーおばさん。
　深夜、子供部屋の引出しを探るメアリー・ポピンズ。目を覚ましたジェインとマイケル。さらに庭を見れば、大きな梯子を担いだファニーとアンニーの姿がある。そこにメアリーとコリーおばさんも合流して、一行は町外れの小高い丘を目指す。
　梯子を立てるファニーとアンニー。コリーおばさんは糊のバケツ、メアリーは星の入った籠を下げて梯子を登る。夜空に糊を付けるコリーおばさん、その後に星を貼るメアリー。
　ずっと後を付けていたジェインとマイケル、部屋に帰ると、やはり星が無くなっている。問題は、紙の星を空に貼ったのか、本当の星をパンに付けたのかという事。

ジョンとバーバラの物語

　みんなが出払った子供部屋、残された双子のジョンとバーバラ。
　太陽が眩しいと文句を言うジョン、ここを通らなくてはと弁解する日の光。バーバラは暖かくて良いと言うので、その頬を撫でる日の光。
　またペチャクチャ喋べっているとムクドリ、暖炉で火の番をしていたメアリー、あんたの方がうるさいとやり返す。
　大人はぼくらの会話が判らないと言うジョン、ジェインやマイケルくらい判っても良いのにとバーバラ。以前は判っていた、日の光、ムクドリ、風、樹、星、すべてと話ができたとメアリー。大きくなったので、判らなくなった。
　忘れるもんかと誓う双子。メアリーは特別と言って、たしなめられるムクドリ。風の声は聞こえても、意味が判らなくなると言うメアリー。
　泣き出す双子、駆け付けたバンクス夫人。見れば、歯が生えている。
　何日かたち、完全に歯が生えた頃、再び訪ねるムクドリ。ごきげんよう、わたしの名は、と尋ねても、双子はろれつの回らぬ言葉を繰り返すばかり。いつかこんな日が来ると判っていたと、肩を落とすムクドリ。

満月

　いつもより早く寝かされたジェインとマイケル、深夜に不意にメアリーに起こされる。二人を急きたてるメアリー・ポピンズ。
　回転扉を入った所は、深夜の動物園。ゲートで挨拶をするヒグマ、園内を悠々と歩くオオカミ、コウノトリ、ラクダ。ビーバーと話をするハゲタカ。逆に、ゾウの檻に入っているのは老紳士。
　ジェインの手を取るライオン、放された動物でいっぱいの園内はまるでジャングルのよう。檻の中のブーム提督、外から餌をやる動物達。
　最後に案内されたのはヘビ小屋の前。そこにいるキングコブラは、あらゆる動物の王であり、かつメアリーの従兄弟。今日はメアリーの誕生日なので蛇革をプレゼントすると言って、眼の前で脱皮を始める。これはベルトにも靴にもなる。
　昨夜はへんな夢を見たというマイケルとジェイン、しかし、メアリーの腰には蛇革のベルトが巻かれてある。

クリスマスの買い物

　クリスマスの買い物に街に出たメアリー・ポピンズ、ジェイン、マイケル。ショウ・ウィンドウの商品に見取れる子供達、自分の姿に見取れるメアリー。毛皮つきの新しい手袋が、いかにも全体を引き立てている。
　百貨店の玩具売り場に入る。汽車、人形を始め、自分のと、家族への贈り物を選ぶジェインとマイケル。
　帰る時間、マイケルは新しい手袋を褒めるが、その手には乗らないメアリー。クリスマス・ツリーに付いている人形や玩具、どうか家に連れていって下さいと言っているかのよう。
　そこへ珍客、裸の上に、空から裂いたような青い衣裳を羽織っているだけの女の子。回転扉の事をよく知らず、いつまでもぐるぐる回っている。
　扉からはじき出されて自己紹介。プレアデスの星の子、上から二番目のマイア。七つ星の長女は下の子の面倒を見る為に残り、自分はみんなの玩具を買う為にくじで選ばれた。
　あれじゃ寒いでしょう、新聞ダネになると言いながら、マイアを女王様のように扱う、ほかの買い物客。
　姉妹の為に、ままごとセット、縄跳び、絵本、フラフープ、アヒルの玩具を買うマイア。売り場を歩く様子は、水銀玉のような軽い足どり。それらをひとつにまとめて包む店員。勘定を問われて、お支払いはけっこうでございますと答える。
　店を出てから、マイアの買い物を忘れた事に気付いた一行。メアリーが自分の手袋をぬいで渡し、それで良しとする。
　見えない階段を登るように空へ昇るマイア。群衆が集まり、お巡りさんが注意する。途中で荷物がほどけて、個々の品を抱えるマイア。あんな事があって良いもんかと言う巡査に対して、あって結構と言うメアリー。

西風

　鞄を探すバンクス、今日は西風だと言いながら出勤する。
　ずっと考え事にふけるメアリー・ポピンズ、もっと怒ってと口説くマイケル。階下へ用にゆくメアリー、待つ子供達。時計の音、不安な顔。窓から見れば、往来に傘をさしたメアリー・ポピンズの姿、それを西風がさらおうとする。メアリーごと、傘を飛ばす西風。桜の木、家の屋根を越えて、鞄を下げたまま飛ばされてゆくメアリー。
　枕の下に残された包み。その中には、かつての磁石と、バート描く所のメアリーの肖像。それらが子供らへの贈り物。

パメラ・Ｌ・トラヴァース略歴

　オーストラリア北東部、グレート・バリア・リーフに面した村に生まれる。
　十代で渡英、アイルランド、サセックス、ロンドン。
　十代から新聞や雑誌に寄稿。バレエ、舞台歴もあり。
　1934、「風にのってきたメアリー・ポピンズ」出版、好評。
　1935、「帰ってきたメアリー・ポピンズ」
　1943、「扉をあけるメアリー・ポピンズ」
　1952、「公園のメアリー・ポピンズ」
　1962、「メアリー・ポピンズ、ＡからＺまで」

参考
　ミドリの部屋　トラヴァース略伝ほか
　大好きな映画の部屋　多くの作品を写真入りで紹介
　西洋魔術博物館　メアリーも魔女として紹介
　ぱおにゃん　おすすめ本の一冊
　児童文学書評　探せばどこかに引っ掛かる
　メアリーの時代考察　ほか
　
　

寸評
　一話ごとに夢のある話が展開されていて、贅沢な構成ですが、支離滅裂な印象もあります。ピノキオやピーターパンほどの寿命は保ち得ないではないかと危ぶまれます。しかし、義務教育が普及する以前、独身の女性が富裕層の子弟の面倒を見るというのは、その過渡期として重要であり、そこでの子供と先生との結び付きというのは、時代を越えて郷愁をそそるものがあると思います。

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