ジェイン・エア

　　シャーロット・ブロンテ、河野一郎、中央公論社、1968。

　両親に先立たれ、ゲイツヘッドの屋敷で暮らすジェイン。かわい気のない、愛嬌のない子供と、ジェインを遠ざける伯母。カーテンに隠れた出窓の中で本を読むジェイン。
　四つ年上の従兄ジョン・リード、口答えして、隠れた罰だと殴りつける。本は僕のものだと取り上げる。気狂いのように反抗するジェイン、赤い部屋に閉じ込められる。
　強情なイライザ、美貌で甘やかされているジョージアナ、ふたりの従妹も冷淡。亡霊が出るという伝説に本当に怖くなるジェイン、必死に頼んでも出して貰えず、病気になる。
　侍医ロイド、ここには向かない、学校に行かないかと提案。女中ベッシー、模様皿に果物パイを盛って見舞い。その皿は、ずっと感嘆しながら、手に取って触らせて貰えなかった物。かなう時期の遅すぎた恩恵。
　ジョンの鼻を殴るジェイン、もう聞きたくないと伯母。
　クリスマスと新年の祝い、多勢の来客。階下からの演奏や会話を聞くだけがジェインの楽しみ。
　理事ブロックルハースト氏の訪問、人を騙す癖があると紹介する伯母。未来に冷淡な種を蒔かれて、すすり泣くジェイン。
　理事の帰宅、ジェインを邪険に扱う伯母。あたしは嘘つきじゃないし、あなたを愛していないと叫ぶジェイン。一切合財をぶちまけて、すぐ学校にやってくれと言う。
　ベッシーとの別れ、朝六時にトランクひとつで馬車に乗るジェイン。五十マイルの旅。
　ローウッド学園、優しいミラー先生の案内。陰気な食堂、焦げた粥、腹を空かした生徒も食べない。
　美しいテンプル先生、朝食が食べられなかったので、パンを余分に出す。読書家のヘレン・バーンズと仲良くなる。
　理事ブロックルハーストの学校訪問、白てんの肩掛けをした夫人、だ鳥の羽根付きビーバー帽子を被った二人の娘。生徒とこの家族との対比。
　生まれつき、ちぢれ毛の娘を責める理事。さらにジェインを椅子の上に立たせ、嘘つきで、恩知らず、悪魔の子と紹介する理事。立たせたままで全員の退席。励ます眼差しで見上げるヘレン。
　ジェインの名誉を気遣うテンプル先生、ロイド医師に手紙を出す。全校生徒の前で、汚名が濯がれたと宣言するテンプル。粗菜を喰らいて互いに愛する者は、肥えた牛を喰らいて互いに恨むに勝る。ローウッドとゲイツヘッドとは、取り替えられない。
　春の校庭、チフスの蔓延、森の中で食事をするジェイン。ヘレン、肺病で死ぬ。　健康に悪い敷地、粗末な食事が明らかになる。多勢の寄付で成り立っている学院、ブロックルハーストの退任、度量のある後任。テンプル先生、結婚退職。
　六年は生徒として、二年は教師として働くジェイン。外の世界への憧れ、新しい苦役をお与え下さい。家庭教師の求職広告を出す。ソーンフィールド館、フェアファックス夫人からの依頼。
　学園に、ベッシーの訪問。リード家の姉妹は仲が悪い、ジョンは長身で美男だが、唇が厚すぎる。ジェインのピアノや絵の腕前に感嘆するベッシー。
　ソーンフィールド邸。猫を抱いて、編み物をしながら待つフェアファックス夫人。耳が遠く、優しい雰囲気に安堵。個室に通されるジェイン。
　夫人はただの管理人、館の主はロチェスター卿。フランス生まれのアデールは、情婦から無理に押し付けられた娘。フランス語で会話する二人、才気のない娘だが、素直そうではある。
　不審な女中グレイス・プール、夜中に笑い声を上げる。会って見れば、三十過ぎの、がっしりした、無口な女。
　夕方、手紙を預かって村までの道を行くジェイン。帰りは真っ暗、馬の蹄が聞こえて、踏み段に座ってやり過ごす。眼の前を過ぎる馬、人、犬、氷を踏んで転倒。びっこを引く男、広い肩幅、いかつい目鼻、重苦しい額、浅黒い顔。肩を貸すジェイン。
　帰宅すると、炉端に、さっきとそっくりの犬がいる。試しに呼び掛けると、尻尾を振って寄って来る。今のがロチェスターだと判る。
　茶の招待、ただひとつの真珠のブローチを付けるジェイン。娘にだけ話しかけて、よそよそしい態度を取るロチェスター。茶を運ぶジェイン、短い間でアデールが変わったと褒められる。ピアノ、絵の検分。ここの滞在は短いと聞かされる。
　炉端のロチェスター、以前より寛いだ感じ。「私を観察してますね、私を美男子と思いますか」　はっきり「いいえ」と答えるジェイン。話し相手がほしいロチェスター、もうあなたを目下のように扱うのは止めると宣言。
　フランス時代の話、踊り子セリーヌに夢中のロチェスター。部屋もあてがい、馬車も買ってやる。テラスで待っていると、若い将校を連れて帰宅するセリーヌ。将校と森で決闘、押し付けられたアデール。
　深夜に笑い声、廊下に出ると煙。開かれたままのロチェスターの寝室。カーテン、ベッドが燃える中に眠るロチェスター。水をかけるジェイン。感謝と好意、翌朝は何事もなかったかのよう。
　社交に出たロチェスター、かつてイングラム嬢と歌った事もある。僅かな好意にのぼせ上がっていたと悔いるジェイン。
　紳士淑女を連れてのソーンフィールド帰還、長期滞在。イングラム家、リン家、デント家、エッシトン家、家族連れての滞在。客に会わせては貰えないジェイン。台所はてんやわんや、アデールと自分の料理だけ取って退却するジェイン。
　階下から響く音楽、会話。イングラム嬢と二人で遠乗りするロチェスター。
　面通し、アデールの帯に花を挿すジェイン、本人は結婚式以来の銀ねずみ色のドレスに、真珠のブローチ。応接間に入る貴婦人の一団、たった八人だが、八人が揃うともっと多勢の印象。盛装、生まれつきの品の良さ。歩く姿は、白鳥の群のよう。
　背の高いイングラム未亡人、美しいが傲慢な鼻と、贅沢な二重顎、深紅の衣裳に、頭に被ったインド織のショール・ターバン。月の女神のようなブランシ嬢、ただし冷笑的。他人の無知をからかう面あり。妹メアリ嬢、もっと柔和だが、そのぶん生気に欠ける。
　遅れて男性陣の登場、悲しいほど、ロチェスターに見取れてしまうジェイン。一般の家庭教師の悪口を言うイングラム家、次々といびり出した話を自慢する姉妹。
　若い男は物足りない、力と勇気だけを信条とする壮年の男性の方が良いと言うイングラム嬢。
　謎文字ジェスチャーという余興。誘いを断るジェイン、こんな遊びはできないと侮る未亡人。ふた組に分かれ、館中の衣裳を集めて、黙劇をやる。相手チームは、その主題を当てる。ロチェスターとイングラム嬢の仲の良さそうな様子。
　通りすがりに服の裾が触れるのさえ嫌がり、眼が合うと汚らわしげに反らすイングラム嬢。こんな扱いをされても冷静なジェイン。嫉妬を起こさせるには、余りにも情がなく、幼いアデールまで邪険にする令嬢。
　ロチェスターの心を得ようとしては、失敗する令嬢。どうすれば成功するかが判るジェイン。彼女はこの世で一番幸せになれる筈なのにと惜しむ、ロチェスターの欠点が見えないジェイン。
　新しい来客メイソン、ロチェスターとはジャマイカで知り合った仲。
　ジプシー老婆の訪問、占いの押し売り、部屋を借り切って一人づつ入って来い。殿方、既婚女性お断り、若い女限定の占い。結果、不機嫌なブランシ、笑いの絶えないメアリ、エイミー、ルイザ。よく当たると評判、家の様子や、意中の人まで言い当てる。もう一人、未婚女性がいると言われて、赴くジェイン。
　つば広の帽子、茶と黒に塗り潰された顔。あんたは寒くて、病気で、愚かだという指摘。一人ぼっちで、恋に遠ざかり、自分から寄って行こうとしない。
　ロチェスターの眼には多くの微笑が注がれてこぼれそう、イングラム嬢は財産目当て。ジェインの顔を見て、眼は感じやすく、口は愛情豊かだが、額が秀でて自活できるのが難、と占う。
　深夜の悲鳴、脇から腕にかけて切り付けられるメイソン。医者を呼びに行くロチェスター、看護を頼まれるジェイン。翌朝、あの女を頼む、と言い残して去るメイソン。
　ジェインの悪夢、御者の訪問、ジョン・リードの訃報。ジェインに話したい事があると伯母の懇願。二週間と約束して、ソーンフィールドを去るジェイン。
　ゲイツヘッド邸、修道女のようなイライザ、美貌で豊満だが不平勝ちのジョージアナ。会ってみれば、無表情な伯母、身に沁みた反感が容易に溶ける訳もなく。
　刺繍と祈祷のイライザ、カナリア相手のジョージアナ、絵を描くジェイン。伯母は臨終間近、退屈な毎日。
　伯母の告白、ジェインの実の叔父ジョン・エアからの手紙、僅かな遺産を残すとの報せ。伯母、臨終。後始末で一ケ月の逗留。
　ソーンフィールドへの帰路、屋敷の踏み段で帳面を付けるロチェスター。全神経がゆるみ、自分で自分がどうにもならなくなり、震えて立ちすくむジェイン。アデール、フェアファックス夫人の歓迎。
　夕暮れの果樹園を散歩するジェイン、葉巻の匂いに姿を隠す。呼び止めるロチェスター、もうすぐ結婚するが、それまでに新しい勤め先を探そう。遠ざかるのが辛いと言うジェイン、何からとの問いに。「あなたからですわ」　思わず口走り、われ知らず涙が溢れるジェイン。
　声を上げて泣くジェイン、いっそ生まれて来なければ良かった、ソーンフィールドに来なければ良かったと号泣。イングラム嬢が来るならば、去らねばならない。名もなく貧しい娘でも、情もあり魂もある。対等の存在と宣言。
　唇を重ねるロチェスター。破産の風評を立てて見れば、イングラム家は冷たい仕打ち。改めてジェインに求婚、月の下で抱擁。
　深夜、枕元に現われるグレイス・プール、ジェインの顔を覗き込む。ロチェスター、戸締まりを注意。
　婚礼衣裳のジェイン、納骨堂での結婚。弁護士、メイソンの乱入、中止。屋敷に閉じ込められているのは発狂した妻バーサ・メイソン、グレイス・プールはその世話役。叔父ジョン・エアとメイソンは知り合いで、姪の重婚を心配したもの。
　着おさめだと思っていた普段着に着替えるジェイン、泣く事もできない。ソーンフィールドを去れ、という内なる声。
　地中海の別荘で二人で暮らそうと口説くロチェスター。父は兄を可愛いがり、弟の自分を裸で追い出した。中米を旅行した自分は、美人で財産付きのメイソン嬢に飛び付いた。結婚して見ると、母は狂人、弟は白痴、妻はねじくれた性格が昂じてやがて発狂。
　英国に帰ってからも、新しい妻を求めたが、セリーヌ、ジアチンタ、クララでは満足できなかった。それと同列に並ぶ事を危惧するジェイン。深夜、人知れず屋敷を出る。
　30シリングの所、20シリング分だけ馬車に乗せて貰う。二つの道が交差する場所に、石柱が立っているだけの所。
　パン屋に入って、仕事はないかと尋ねるジェイン。百姓のほかは、オリヴァーさんの針工場で働いているが、雇えるのは男だけ。ハンカチ、手袋も、パンには替えて貰えない。
　昼食を食べる農夫からパンを分けて貰う。身なりが良いので、貴婦人の気紛れと思われた様子。豚小屋で豚に餌をやる少女から、その餌を貰う。
　雨の中、荒野の細い道を行くジェイン、小さな屋敷にたどり着く。窓を覗くと、若い娘が二人に、女中が一人。物乞いをしても、取り合わない女中ハンナ。教区から帰った兄セント・ジョン、締め出されて倒れそうなジェインを中へ入れる。
　姉ダイアナ、妹メアリの介抱、無教育な人でもないと評する。勤続三十年のハンナ、わたしを乞食扱いしたけどそれは褒めて上げるとジェイン。
　美貌で知的なダイアナからドイツ語を習う。妹メアリには絵を教える。理性の権化のようなセント・ジョン、教区の病人、貧乏人を訪問する。
　身内の訃報で集まった一家、家庭教師である姉妹は再び都会へ戻り、兄は女中を伴って牧師館へ帰る。オリヴァー嬢の寄贈になる所の宿舎付き貧民学校、ここの教師にならないかとの斡旋。
　叔父の助言で父は破産、その叔父の死亡。当てにしていた二万ポンドの遺産はほかの姪のものに。千ポンドづつでも大金持ちになったのにと話すダイアナ。
　小学校への赴任、小さいながら二階立ての家、幼いながら女中つき。まわりにはびこる無知、下賤、貧困。訛りがひどくて会話が通じない。
　宿舎に筆記具を届けるセント・ジョン、通りがかるオリヴァー嬢。非の打ちどころのない美貌と優雅さ、温暖な土地が守り育てた百合のよう。女ながら見惚れるジェイン、心の底から讃美。自然はたしかに、えこひいきでこの女性を創り上げた。いつもは継母さながら、しぶい贈り物をする自然が、このお気に入りの娘にだけは、祖母のような気前の良さで恵みを授けたのだ。この地上の天使、美しい妖精。
　生徒達との相互理解。ぽかんと口を開けた鈍重な顔つきの田舎娘の中から、急に目が覚めたように頭の鋭い少女達が現われ始めた。その進歩の早さ、その両親の百姓家の持てなし。
　乗馬服で学校を訪問するロザモンド・オリヴァー嬢、うろたえながら冷たい素振りのセント・ジョン・リヴァーズ。
　オリヴァー邸に招かれ、ロザモンドの肖像を描くジェイン。この一帯は元リヴァーズの土地、親子を上げてそれを尊敬するオリヴァー。宣教師になり外国へ行くつもりなのは惜しいと、こぼす父。
　仕上げ中の肖像に見惚れるセント・ジョン、縁談をそそのかすジェイン。しかし、ロザモンドは受難者、労働者の妻にはなれないし、自分は宣教師の責務を捨てるつもりはない。ジェインの下敷きの紙に眼を止めるセント・ジョン。
　二十年前、貧乏な牧師補が金持ち娘と駆け落ち、夫婦とも死亡。残された娘は成長、ロチェスターなる人物と重婚の寸前で行方不明。その娘に叔父からの遺産あり。という報せ、ジェインとリヴァーズ兄妹とは従兄弟どうし。始めて身内を得た喜び、遺産は四等分という申し出。
　姉妹を迎える為にムーア・ハウスを飾るジェイン。訪問して、すぐ本を読むセント・ジョン、感激する姉妹。来年は旅立ちの予定、オリヴァー嬢は若きグランピー卿と婚約。
　ムーア・ハウスでの四人の暮らし、ヒンドゥー語学習を強いるセント・ジョン。不平も言えず、愚痴もこぼせないジェイン。
　丘を越えて風の吹く、緑豊かな谷間の散歩道。あと六週間でインドへ行く、ついて来て欲しいとの申し出。妹として、同僚としてならともかく、妻としては無理。それは魂の半分を捨てる事。
　大理石のように冷たい態度のセント・ジョン、身内として細やかな愛情が欲しいと口説くジェイン。ロチェスターの事を考えているのだろうと見透かされる。
　夜の祈り、姉妹が出た後の二人。まだ改心を迫るセント・ジョン、進むべき道を尋ねるジェイン。そこへ、ロチェスターの呼び声。今すぐ参ります、と外へ出るジェイン。
　早朝、家を出るセント・ジョン、午後、やはり家を出るジェイン。ソーンフィールドに一日半。森のむこう、みやま鴉の群、わざわざ遠回りして見上げたものは、黒焦げの廃墟。門に扉はなく、窓に硝子はなく、屋根のない黒い壁だけの屋敷。
　宿で聞く消息。あの屋敷には気狂い女が匿われていた。子供のような、ちっぽけな家庭教師に旦那は夢中。その部屋に放火して大火、旦那は奥さんを助けようとして失明、片腕を失う。バーサは死亡。
　今はファーンディーンの農園の屋敷に住むロチェスター。ちびの家庭教師にふり回されるまでの旦那は健康喝達、あのエアとかいう女がここへ来る前に海にでも沈んでいてくれたらどんなに良かったか。
　夕暮れ、屋敷に着くジェイン。手探りで散歩するロチェスター、捕われた鷲か、盲いたサムソンのよう。
　女中の代わりに水を運ぶジェイン、誰だ、何者だ、また楽しい妄想かとロチェスター。妄想ではありません、これからは決して側を離れたりしません。
　翌日、打ち明け話。セント・ジョンを美々しく描いて、焼き餅をやかせるジェイン。焼けた眼、片輪の腕をもどかしがるロチェスター。月曜の夜、ジェインを呼ぶと、今すぐ参りますと聞いたと言うロチェスター。
　簡単な結婚式、二年後に視力を回復するロチェスター、男子出産。ダイアナ、メアリとの交流、アデールは良い学校へ。セント・ジョンはインドで布教活動、主は汝のもとにゆかん。

シャーロット・ブロンテ略伝

1815、ワーテルローの戦い、英仏戦争終結、英国大不況。
1816.4/21、ヨークシャー州ソーントンに生まれる。父パトリックは牧師補、母マライア・ブランウェル、姉二、弟一、妹二。
1821、５才、母、死去。その姉ブランウェルが育児。
1826、10才、姉妹で人形劇に興ずる。
1835、19才、かつて学んだロウ・ヘッド私塾で教職。
1839、23才、友人の兄から求婚、断る。家庭教師になり、すぐ辞める。
1840、アヘン戦争。
1844、28才、姉妹での私塾開校計画、建物を借り、ちらしを配るが、断念。アーサー・ベル・ニコルズ、牧師補として父のハワース教会に着任。
1846、30才、アイルランド大飢饉、シャーロット、アン、エミリー、創作開始。
1847、31才、「ジェイン・エア」出版、増刷。サッカレーと交友。エミリー「嵐が丘」、アン「アグネス・グレイ」
1848、32才、弟ブランウェル死去、妹エミリー、風邪をこじらせて死去。
1849、33才、妹アン、死去。
1854、37才、ニコルズと婚約。ひとつ年下、真面目一方。
1855、38才、シャーロット、風邪をこじらせて死去。
1928、ハワース牧師館、ブロンテ記念館となる。入場料、大人500円、子供150円。

参考
　マーシュエンドinブロンテ研究
　ブロンテ姉妹のトラウマ分析

寸評
　きっちり貞操は守りぬくし、自活はするわ、財産は入るわ、何が可哀想なんだと思いますね。孤独な女の魂の彷徨だったら、テス、緋文字の方がよっぽど心に沁みます。
　最後は片輪にされてしまったロチェスター卿、財産さえあれば、浮気はしないし、どこにも行けないし、その方が都合が良いという女の打算むき出しのストーリーですね。怖いですね、気を付けましょうね。
　しかし、最後まで興味をそらさない話し運びは見事です。さすがブロンテ姉妹。この姉妹のサークルには、どんな秘密が隠されていたのでしょうね。

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