ヒトラーの戦争
デヴィッド・アーヴィング、赤羽龍夫、早川書房、1977、
エヴァ・ブラウン 愛人。
ヨハンナ・ヴォルフ 最年長の秘書。
ゼルダ・クリスチャン夫人 魅惑的な秘書。
クリスタ・シュレーダー 辛辣な秘書。日記、
トラウデア・ユンゲ 最年少の秘書、元フンプス。
ゲルダ・ダラノウスキ 結婚退職した秘書、上と交替。
ヘルマン・ゲーリング 空軍司令、全国元帥。
ヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン 空軍元帥。
カール・コラー 空軍大将、兵卒から。
エルヴィン・ロンメル 陸軍元帥。
クルト・ツァイツラー 陸軍大将、かみなり玉、
エドワルト・ワーグナー 陸軍総監、ワーグナーの孫、爆弾失敗で自殺。
カール・デーニッツ Ｕボート司令、海軍元帥。
アルベルト・シュペーア ベルリン設計、軍需相。
フリッツ・トット 土木技師、アウトバーン、西部防壁。
ルドルフ・ヘス 総統代理。
マルチン・ボルマン 秘書。
ヨゼフ・ゲッペルス 宣伝相。
エーリッヒ・コッホ ウクライナ代官、残忍で親ソ・ウクライナを招く。
ハインリヒ・ヒムラー ＳＳ全国指導者、警察長官、内相。
ラインハルト・ハイドリッヒ ＳＳ大将、チェコ支配、絶滅収容所考案。
アドルフ・アイヒマン ＳＳ大佐。
1939年
9/1、白号作戦＝電撃作戦、ポーランド侵攻。
9/3、特別列車アメリカ号、ゲーリングは贅沢なアジア号で移動。
ポーランドを三週間で席巻、戦車、ガソリン車、急降下爆撃機。河川上に防衛線
を築かず、突出した部隊が包囲された。ロンメル、ゲーリングの功績。
六輪のメルセデス、先を競う群衆。後にユンカース52で移動。
喜劇の西部戦線、ライン川両岸から、拡声器で自分達は先に発泡しない、一部
隊は水浴び、前線では物資の交換。
9/4、定期船アシニア号沈没、英米1100人沈没、攻撃禁止令。
ポ、ブロンベルグ、ドイツ系住民数千の虐殺。
ハインドリッヒ、貴族、僧侶、ユダヤ人は皆殺し。ワグナー、軍に累が及ばな
いよう進言。
シュレーダー日記、蒸し暑い毎日。
9/、ユダヤ機関会長ハイム・ワイツマン博士、チェンバレンへの手紙。
ブラスコヴィッツ将軍との戦いで片腕を失った長身のフォン・ブリーゼン将軍。
父が戦死したその場所で報告。騎士十字章。
9/19、ヒトラー、ダンチヒ入城。窓から花、鈎十字、「ラインラント、ズデー
デン、ヴィーン、どこでもこうだった」
安楽死ユーテネージア司令、
10/5、ヒトラー、ワルシャワ入り。ゲーリング、ビャルイストックの森の森林
資源、鳥獣めあて。ヒトラー「木材の事を言っているが、狙いは鹿なのさ」
8/19、独露経済協定。
9/29、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ロシアに空港と港を解放。フィ
ンランド拒否。
10/、ウィリアム・ローズ・デービス石油商、ローズベルトの提案、アフリカ
植民地返還、経済援助、ゲーリングに提案。アメリカの真意、ロシアとドイツが
戦って、最後にアメリカが叩く。
ヒトラー、スウェン・ヘディンとの対話、強硬なイギリスにこぼす。
ポーランド分割、ポーランドは貧しくして、人々がドイツへ働きに行くように
仕向けねばならない。（ウィルヘルム・カイテル陸軍元帥）
1939.11/1、「たとえイギリスに勝っても、真の勝者はアメリカ、ロシア、日
本であろう」ヒトラー談。
11/7、ミュンヘン行き、演説。ビアホールを出て八分後に爆発。犯人は時計屋。
ムッソリーニ、蘭ウィルヘルミナ女王「心の底から慶賀」
東での処刑、迫害、ハインドリヒの采配。
11/30、赤軍フィンランド侵攻。ムッソリーニ兵器供与、大使召喚。まだ
協力的なドイツ、物資、食糧をロシアに供給。
1940年
2/11、独露通商協定。
東の無法状態、親衛隊が裁判もなしに大量処刑。ひとりの将校が酔った勢いで
55人の捕虜を中庭に引き出し、射殺。その経歴に免じて減刑。
2/3、ロンメル、サイン入り著書を貰う。
2/16、英駆逐艦がドイツ商船を銃撃、六人が死亡。ノルウェーの中立を保つ必
要。
オイスター作戦。3/1、署名。3/12、モスクワ、ヘルシンキより情報、停戦交
渉。3/12.15:30、フィンランドの要請があれば、英仏はノルウェーに上陸すると
チャーチル、ダラディエの約束。
翌朝、停戦協定。
4/7の新月、シャルンホルスト、グナイゼナウ、十四の駆逐艦を含む船団。イ
ギリス海軍の包囲をくぐって上陸。スタヴァンゲル飛行場、ドイツ落下傘部隊に
より占領。オスロ・フィヨルドでは三時間遅れ。ノルウェー、デンマークの占領。
5/10、黄号作戦、天候重視で延び延び。オランダ、ベルギーの橋と要塞にグラ
イダーと落下傘部隊。オランダ警官扮装部隊。西部戦線でのロンメル、オーバー
ザルツベルグからシュペーアへの電話、リヒトホーフェンへの激励。ゲーリング、
七十の飛行場を同時攻撃。友好的な国民、ヒトラー敬礼。
5/28、ベルギー降伏、6/2、英ダンケルク撤退。ゲーリング、ベ・レオポルト
国王への寛大な扱いを要請。
6/10、伊、対英仏宣戦布告。
6/12、パリ放棄、破壊を逃れる為に無防備都市宣言。徹底抗戦を呼び掛けるチャ
ーチル。
老雄ペタン将軍の停戦、6/21、停戦。
6/23、ヒトラー、シュペーア、建築家ヘルマン・ギースラー、彫刻家アルノ・
ブレーカー、パリ入城。オペラ座、エッフェル塔、凱旋門、
ベルリン、オランダ皇太子、ヒンデンブルグ息女、元教師の訪問。
楽しいコーヒー・タイム。
ベルクホーフ、階下の食器棚が秘書の憩いの場。
1941年
6/22、バルバロッサ作戦、対ソ開戦。
6/30、ミンスク包囲。
ヴィシー・フランス、ボルシェビキと戦う義勇兵。デンマーク、ノルウェー、
スペイン、フランス、ベルギー、クロアチアが参戦を表明。
バチカンも歓迎、「嘘と偽善で二千年も人類の歴史を遅らせた」
日本は、「日本は薄情です、我々を同盟国と思ってないようです」
8/28、キエフ入城、「ミルクと蜂蜜が流れ、土地はヨーロッパのどこよりも肥
沃だと言うのに、人々は理解できないほど惨めで貧しい。婦人は誰ひとり、真ちゅ
うの装飾品さえ身に付けていなかった。貧弱な小屋には、ナイフ、フォークさえ
見当たらない。そのような物があれば、人民委員が没収し、持ち主は資本主義者
のレッテルを貼られるのだ。おどおどとびくついている人々は、いつも人民委員
の眼を憚ってるのだ」
ムッソリーニ到着、北アフリカ戦線でイタリア軍とロンメルの活躍を描いた映
画について、「あの迅速なイタリア軍とは何の事かね」「あんまり本当の事を描
くと、ロンメル将軍がひとりで戦っているように見える」
「アメリカから送られたロンドン空襲のニュース、百貨店、議事堂が破壊、見て
いる間に二つの倉庫が火の海。ロンドン市民はベルリンもそうだと思っているか
ら耐えている。チャーチルは市民を欺いている」
8/18、ブラウヒッチェ、ハルダー、ボック、今すぐモスクワを、との提案。蹴
られる。
ヒトラーの上機嫌、「ロシアはドイツの植民地。イギリスはインドと中国を、
ドイツはロシアとウクライナを。勇敢に戦ったスターリンには、最悪の運命は免
れさせてやろう」
ワグナー「ティモシェンコよりも腕利きの将軍が前線に派遣されました」「冬
将軍です」「我々はナポレオンの轍は踏まない」
11/7、ベルリン空襲、英海軍、北アフリカの補給路を断つ。
ドン川の攻防、−20度。斧がない、不凍液がない、エンジン始動を知らない。
後退するロシア軍は鉄道、車両を破壊、よって補給が困難。
−30度、ドン川ロストフの敗北。雪嵐、吹雪、戦車は凍結、兵士は凍傷、砲弾
は不発、グデーリアン。戦車の下に穴を掘ってガソリンを四時間も燃やす。
照準器は凍結、負傷兵は三十分で死亡、350人が手足を切断。
ドイツ全土で暖かい衣服を集める運動。
日本の参戦。ヒトラー「イギリスがシンガポールを失うのは残念だ。東洋人の
援助で、我々がイギリスのアジア進出を潰す。そしてイギリスとソビエトが東西
からヨーロッパを挟み打ちにする」ヘーベネ「アメリカとソビエトが一緒になれ
ば、戦争に勝つのは難しくなります」
満員の教会「祈れば、心が穏やかになる。傲慢さも欲望も消える」
グーデリアン解任、シュトラウス、ワーグナーの慰め。
ざん壕が掘れない。
一兵士「三百マイルも行進させられた揚げ句、我々の部隊は穴ふさぎの兵力と
して前線に投入された。ソビエト軍の規模は底無しで、津波のように押し寄せて
来る。機関銃は発火しないし、戦車はいつまでたってもエンジンが掛からない。
ひとつの部隊が崩れるや、すべての兵士が算を乱し、武器を捨てて逃げ出したん
だ。ソビエト軍では見られない、フランス軍でも稀にしか見られない事が、この
誇り高きドイツ軍で起こった。将校は拳銃を手に秩序を保とうとしたが、誰も言
う事を聞かない。飢えと寒さでいじけた志気、言う事を聞かない武器を前に、み
な子供のように泣きながら逃げ場を求めたんだ。後は言うまでもない。敵に背を
向けた兵士を、ソビエト軍は捕虜に取ろうともせず、戦車で踏み潰して行ったん
だ」
「毛布に身を包み、脚をボロや包帯で巻いた、悲惨で不様な集団が、道路沿いに
どこまでも足を引きずって歩いていた」
トット、ハインドリヒ死亡。
1942年
1942の春、何とかロシアの冬を乗り切った。ナポレオンでも出来なかった事。
ゲッペルスのブラウヒッチェ評。
総統はコーカサス狙い、ブラウヒッチェと参謀本部がモスクワを狙った。彼ら
は本当の勝利より、威信上の勝利がほしかったのだ。
ロンメルのスエズ奪取の為に、コーカサスの石油が必要。
中世の都市リューベックが灰燼に。
ヒトラー53才の誕生日、タイガー戦車、クリミア花盛り。ベルクホーフ、ムッ
ソリーニ。
3/、アウシュビッツ、トレブリンカ、大量虐殺開始、8/、勢い増す。
5/、東プロイセンの狼の巣。ケルン大空襲、マダガスカル計画。
5/、ハリコフ攻防戦、ソ連死者50万。
42年夏、バクー、グロズヌイ、マイコップ、スターリングラードを狙う。対す
るティモシェンコ、正面から当たらず、伸びた所への包囲戦。
6/21、ロンメル、トブルク陥落。33000の捕虜、戦車、燃料ととともに。すぐ
に東のエジプトへ、元帥に昇格。「ロンメルは、彼の必要とするあらゆる補給を
与えられねばならない」ロンメルの為にも、バクー、グロズヌイ、マイコップの
油田を押さえねばならない。ここを押さえればスターリンは動けない。
200の潜水艦が就航。
シュペーアに大西洋防壁を指示。
コッホ、ウクライナから300万トンの穀物を徴収する責任。「ウクライナ人な
ら何とかする」
日本、シンガポール、ホンコン、フィリピン、ジャワ、スマトラ、ついでイン
ド。リッベントロップ、ロシア侵攻を依頼。ヒトラー「オーストラリアとインド
に兵を割くので有利」
コーカサスの山脈。
8/2、ソビエト増産。593個師団。「世界最大の工業国であるドイツが、シュペ
ーアのような天才を戴いて、月産僅か600両だというのに、スターリンが千両生
産しているというのか」「子供や婦人」「ボルシェビキは、子供の背骨を痛めつ
け、女の細腕をプレス機に挟んでも平気なのだ」
ウクライナの秋、収穫は済み、ヒマワリは屋根で乾かされ、家畜の飼料にしか
使われないスイカが到る所ではち切れそうになっていた。
スターリングラード包囲、あと二日で落ちる。弛みきったドイツ軍。空襲を予
定するリヒトホーフェン「それが我らがドイツ陸軍が川で水浴びしていたので」
パウルス、ホート批判。クライストはコーカサス山脈のエルブルス山を征服。
ハルダー、クルーゲはブラウヒッチェの子飼い。「前線ではモーデルが苦しん
でいるのに、誰も助けに行こうとせずに、後方で遊んでばかりいる」
ハルダー解任。後任、ツァイツラーとヨードル。
マルタ島からのイギリス空軍の絨毯爆撃。ロンメル劣勢。長距離爆撃機を持た
ないドイツ。
アーヴィット・ハルナック博士のスパイ行為。ミルドレッド夫人も死刑。
9/13、歴史的なスターリングラードの反攻、
その大きさに面喰らう、ベルリンからブランデンブルグに到るほど広い。これ
は都市ではなく、一大工業ベルト地帯。
ベルリンで病気療養するロンメル。
バルカンのチトー。
スターリングラード、ルーマニア軍とイタリア軍があっさり敗退。
リヒトホーフェン、飛行機がないので空輸は無理。
ルビヤンカ刑務所に入れられたら、逆スパイになって帰って来る。
1943年
2/、ミュンヘンの白ばら、死刑。
輸送船団を守れないイタリア海軍。
3/1、ベルリン空襲。エッセン、ニュールンベルグ、ミュンヘン、シュトット
ガルト。
4/7、ムッソリーニ、ザルツブルグ着。ツァイツラー、ゲーリング、ヨードル、
シュペーア。豹で縁取った緑のドレスのエヴァ・ブラウン、妹グレーテル、ヘル
タ・シュナイダー夫人、マリオン・シェーンマン夫人。
チュニジア陥落、フィンランド離脱。
シュペーア、空襲にめげず、六倍の生産。バズーカ砲の開発。
デーニッツ、ここ一ケ月で15隻のＵボートが沈められている。センチメートル
波のレーダーを開発している徴候。
「北アフリカでの手痛い敗北を認めよう。殴られたら、そうではないとか奇麗
事を言うのは止めて、沈黙し、反撃の準備をする事だ。さもないと、全世界の笑
い者になってしまう」
5/21、栄養士マルレーネ・フォン・エクスナー夫人「オレンジジュースに麻の
オートミール、香草ソース付きライス・プディング、カリカリパンにバターとく
るみのペーストでどうですか」
オットー・スコルチェニーＳＳ大佐、後にムッソリーニ救出、身長２ｍ。
6/23、バルドル・フォン・シーラッハ、ヘンリエッテ夫人。アムステルダムで
ユダヤ人をトラックに「こうした哀れな人達がトラックに積み込まれるのを見る
のは辛い事ですわ。あなたはご存じなんですか、どうしてこんな事をお許しにな
るの」
「彼らは仕事に連れて行かれるのだから、あなたが哀れむ必要はない。彼らが工
場で働く一方で、我々の兵士は戦場で戦って死んでいるのです」
「ゲーテはこう言ってます。人は憎むようではなく、愛する為に作られているの
です」涙を浮かべて退去。
「シーラッハ君、言いたい事があったら直接私に言ったら良いだろう。それより、
あの奥さんの厚化粧を何とかしたまえ」
7/12、スターリンの反攻、すでに1400万人の兵士を失う。
Ｖ−１、ゲーリング、ミルヒ、による開発。
Ｖ−２、シュペーア、フォン・ブラウン、による開発。
7/24、ハンブルグ大空襲、千の爆撃機。火の嵐、火災による暴風、樹も屋根も
人も吸い込んだ、防空壕に非難した何万の人は生きながら灰に、一酸化炭素中毒、
水道本管の爆烈で生じた洪水で溺死。
ノイシュタット、メッサーシュミット、ペーネミュンデ等、工場、軍事施設の
爆撃。ゲーリング失墜。
8/26、イタリアからの休戦の申し出。
8/30、ドイツでイタリアを占領する計画。
報告、連合軍はコルシカ、及びシチリア南部に上陸予定、イタリアはこれを機
に連合国側に寝返るかも知れません。 報告、イタリア国王はドイツとの同盟を
口にしながら、上陸する連合軍に対して旗を振って歓迎しております。
ケッセルリング、ロンメルの派遣。
9/3、ルーマニアのアントネスク元帥訪問。「イタリア王家から何も期待しな
いように。イタリア国王は敵と取引している。つくづく毒を盛られないように」
「それほど険悪なのですか」「これはロンメル君も同じだ、王家の招待を受けて
も、食事には手を付けないように」
9/8、ＢＢＣ放送、イタリアの無条件降伏を発表。アイゼンハワー、バドリオ
元帥の声明。「これはアメリカとイタリアの双方の代表の手によって締結された
と」
ローマ占領、ミラノ、トリノで共産党の反乱、フェレンツェ、ドイツ軍とイタ
リア正規軍との戦闘。エーゲ海、ロードス島、コルフ島、独伊戦争。
ローマ、イギリスに。米落下傘部隊、ローマ周辺の飛行場へ。米軍将校、クル
マでローマ市街を。
「ムッソリーニはどうした、過去二十年間、ただ国民の事のみを考え続けたこの
人物が…」「この偉大な人物を友と呼んだし…」
シュペーア、北イタリアの工場施設を解体して、ドイツへ運ぶ。
9/14、カルテンブルンナー、功績はスコルツェニー、アペニン山脈のカラビニ
エリの要塞へ、落下傘部隊とグライダー部隊が強硬着陸。ものの五分とかけずに
ムッソリーニ救出。
11/6、キエフ陥落。
最も危険な敵はチトーである。クロアチア内部に紛れもないソビエト国家を建
設している。もはやパルチザン等とは言えない。チトーの下に厳格に指導され、
モスクワの司令で動く強力な軍隊。
ヴァイクス、カルテンブルンナー、「セルビアの民族主義者ミハイロビッチを
支持する事」
ハンガリー休戦希望、ルーマニア恐怖。
11/22、ベルリン大空襲。
Ｖ１＝無人飛行機、陸軍、フォルクスワーゲンのファラスレーベン工場、なら
ぴにノルトハウゼンのトンネル工場で量産。
Ｖ２＝史上初のロケット、親衛隊、シュペーア、ペーネミュンデ、在仏ワッテ
ンの工場は破壊。ハルツ山脈麓のウィツェルンスに発射基地。百万トンのコンク
リート。
11/8、「我々の報復の時は近い」
1/22、462機のうち30がロンドンに。
12/26、北極海シャルンホルスト、連合軍に激沈。これまでの経験では、敵は
デーニッツの戦艦と暗闇で戦うのを避ける筈だった。英国側は、砲弾による水煙
までレーダーで映し出した。「敵のレーダーがそんなに優秀なら、プロボクサー
と戦う盲人のようだっただろう」
1944年
1/4、ポーランド国境まで撤退。
ボルマン、エクスナー夫人を誘惑して肘鉄。仕返しに親類を党から除名、経済
的困難な目に合わせる。
ロンメル、西部防衛。
1/22、連合軍アンチィオ上陸。
Ｖ２大増産、4/20から十日間で1500発、ミルヒ「ミサイルが三十分毎にロンド
ンに落下し、次の奴がどこに落ちるか判らないという情況を想像してみて下さい。
それが二十日も続けば、彼らはへなへなとしゃがみ込んでしまうでしょう」
ロシア女性軍、一人につき一つの砲弾を背負わせて十マイル歩かせる。
エーリッヒ・コッホ、花束で迎えたウクライナ人をたった一年でパルチザンに
変えた。学校閉鎖、最後の牛を奪う、健康な者はドイツに移送、勇敢と勤勉に対
するヒトラーが約束したメダルを一年後にいやいやウクライナ人に渡す。病気、
悪態つき。
4/20、クリミア総崩れ。トルコ、クロム禁輸。
6/5、ローマ撤退。
6/6、Ｖ１ロンドン空襲。
6/1、ＢＢＣ放送、秋の日のヴァイオリンのすすり泣き。6/5、ひたぶるに心は
痛む。48時間以内に始まる。情報部のミスでロンメルは留守。ドルマン、ディー
トリッヒも留守。「フランス女と酒のせい」
6/6、連合軍、ノルマンディー上陸。
6/10、第二戦線の成立、デーニッツ。6/11、水深のあるシェルブール防衛、敵
を阻止できない。
6/15、244機のＶ１、ロンドン猛火。「我々は人間と飛行機を節約している。Ｖ
１は空飛ぶ爆弾であり、しかも帰りの燃料がいらない」
ツァイツラー、ロシア戦線は大型輸送機を必要としている。
6/21、米軍、ベルリン空襲、二千トンの爆弾を落とす。
かつてのスターリン「ひざまづいて生きるよりは、戦って死ね」
7/17、クルーゲ元帥、ロンメル頭蓋骨割れ。後任ハンス・フォン・クルーゲ。
7/20、ヒトラー爆破未遂。
参加した将軍、フロム、オリブリヒト、ヘプナー、ベック、シュタウフェンベ
ルク、フォン・シュテルプナーゲル、元帥フォン・ヴィツレーベン、警察長官フ
ォン・ヘルドルフ伯。
陸軍主計総監エドワルト・ワーグナー自殺、リンデマン将軍行方不明。
七月末、クルーゲ元帥、ロンメル元帥に対する嫌疑。
ロンメル、ワグナー会話「国民は総統を信頼している」「動かせるのは総統し
かいない」「責任を感じている」「責任より自由にしてくれ。失敗を償う為に失
敗を重ねるよりは、わがドイツ国民を自由にしてくれ」
ロンメル、ヒトラー会談「私はあなたを父と仰ぎ、神と信じました」「私も同
じだ」「この先何があっても、私の忠誠は疑わないで下さい」「」「総統よりも
優先される事があるとすれば、ドイツ国民の将来だけです」「それは私も同じだ」
報告「どうしてそれを先に報告しないんだ、いまノルマンディはがら空きだ」
新参謀総長グデーリアン就任。
8/1、連合軍150万上陸。パットン第三軍。
ヨードルの副官ヴァルリモント将軍を派遣、クルーゲを監視。飛行機不足で援
護に行けない。
8/13、親衛隊大尉ハンス・ユンゲ、スピットファイアの機銃にやられる。トラ
ウデル・ユンゲ。「君の夫は立派な人だった」
8/15、クルーゲ行方不明、パットン前進。実はクルーゲ、息子を前線に派遣し
た後、無線が機銃で故障。8/19、クルーゲ脳溢血で死亡。のち国葬。
8/18、米セーヌ川に到達。燃料不足、指揮官の無能、四年間の怠惰のせい、な
すり付け合い。豪華ホテルでぶらぶら遊ぶ空軍将校、タバコ、コニャック、コー
ヒー、女性要員と海岸で。
8/23、アントネスク逮捕。24、空軍武官ゲルシュテンベルク、プロイェスティ
から電話、ＳＳホフマイヤーとともに死守。25、ルーマニア宣戦布告、ゲルシュ
テンベルク赤軍の捕虜、フォン・キリンガー男爵自殺。
マンガン、クロム、タングステン、石油。
クルーゲ、三回目の検死で青酸カリ検出。八月半ば、パットンが前線から姿を
消した事件。ただし、クルーゲは会えず。
9/8、Ｖ２ロンドン空襲、ブラウンと技師に勲章。ハーグ近郊の基地、アルン
ヘム橋を守る。
ルントシュテット、アルデンヌ作戦。
7/18、エストニアの苦悩。エストニア粛清。
10/7、ロシア軍大攻勢。
息子によりすがって散歩するロンメル、今だに危険発言、「ドイツ国民を説い
て戦争を止めさせられる人間はロンメルしかいません」。カイテル、「無実なら
総統に会いに来てほしい、無実でないなら将軍にふさわしい態度を示して貰いた
い」毒死、10/15、死亡発表、国葬。
十月、ヒムラーの所業、モルゲン判事、カルテンブルンナーＳＳ将校、「肝を
潰す」握り潰す。
10/27、赤軍マイダネク収容所解放、150万の死体。
10/15、ヒトラー、シュレーダー、クリスティアン、お喋べり。
10/16、東プロイセン侵攻。
ロンドン、何百万もの疎開、帰らぬよう勧告。
12/16、アルデンヌ攻勢、二日前、何千もの車両を発見、タイガー戦車「アイ
ゼンハワー、ブラッドレー、モンゴメリーは夢を見ているのだ」
谷や隘路でガソリン不足。二万五千の米軍捕虜。
12/23、連合軍制空権回復、パットン僅か五マイル。二千の爆撃機を窓から見
るヒトラー。シュレーダー「総統、戦争は負けですね」「いや、負けではない」
1945年
1/3、北からモンゴメリー、南からパットン。
1/8、アルデンヌ撤退命令。ミュンヘン空襲。
1/9、トラックでミュンヘンを抜けて来たユンゲ夫人とヴォルフ夫人。
1/19、シュミーデン博士、アレン・ダレス、スイスで秘密会談。
1/20、エヴァ、シュペーア、ゲーリング、ボルマン、メッサーシュミット、デ
ーニッツ、ゲッペルス、リッベントロップ、カイテル、ヨーデル健在。グデーリ
アン勘気に触れる。
1/30、ベルリン、ドレスデンへ大量の避難民。
2/9、破壊されたリンツの都市計画、ドナウで一番美しい町にする、三万人収
容のコンサートホール、鐘楼の下にはヒトラーの両親の墓、党施設、劇場、オペ
ラハウス、美術館、博物館。
2/13、ドレスデン空襲、火の嵐。25万死亡。
ニュールンベルグ、ミュンヘン廃墟。
4/20、秘書に。「万一の場合、若い人はいつでも何とか切り抜ける。若い人の
誰かが切り抜けられなかったら、それは運命なのだ」
4/22、エヴァ、ユンゲ、クリスチィアン、残る。「あなたは私がここに残るの
を知っておられるでしょう」「私も停まるわ」「私の将軍があなた達のように勇
敢だったらね」
4/25、オーバーザルツベルグ、ベルクホーフ空襲。
4/27、ムッソリーニ逮捕、公開死刑。
4/29、「戦いの間、私は結婚すべきではないと信じたが、私の命の尽きようと
する今、これを認めよう。長年の友情の中で、彼女の運命と私の運命とはすでに
ひとつに結ばれている。敵の包囲下にあるこの街に、あえて舞い戻ったひとりの
婦人を、私の妻として迎えよう。私とともに死ぬ事が彼女の望みである。これは
私が国民の為の仕事ゆえ、彼女に与えてやれなかったすべてを埋め合わせるであ
ろう」
4/30 PM03:00、エヴァ、ブルーのドレス。秘書、ゲッペルス夫人、ゲッペルス、
ボルマン、クレープス、ブレクドルフを残して二重ドアの向こうに。エヴァ、び
んを噛んで肩に頭を沈める。ヒトラー、びんを噛んで引き金を引く。
参考
Reichヒトラーの帝国
寸評
老若男女、誰からも愛されたヒトラー。確かに有能な人ですが、一政治家が、
これほど国民の愛を勝ち得る事が出来るでしょうか。その背景には、ドイツ大衆
の不満があります。
もともとゲルマン民族だけだった土地に、ユダヤ人が入って来たのは十六世紀
頃だと言います。
在留外国人というのは、風俗も信仰も異なり、お金を使いません。まわりのド
イツ人が、祭だと言っては酒を飲み、たらふく喰い、また寺院に寄進し、無料奉
仕するのを尻目に、金を溜めます。おまけに教育熱心です。二代目、三代目後に
は、まわりのドイツ人が、あとから来たユダヤ人に使われるようになります。
これは、無駄遣いする者が悪い。蓄財と教育の勝利だと言えるかも知れません。
しかし、昨今の日本が、高貯蓄でありながら、有効な投資先を見出せず、海外
投資に走って、かえって国際投機筋の餌食になっている現状を見ると、お金を溜
める事が必ずしも良い事だとは言えなくなります。気持ち良く働いて、気持ち良
くお金を使ってくれる方が、まわりに取っては有り難いのではないのでしょうか。
人間というものは、他人を押し退けたり、他人のものまで自分のものにしてし
まい勝ちです。財産は搾取を容易にしますし、最近のインテリ官僚の財団法人へ
の喰い付きぶりを見ると、学歴というのもまた、人を搾取する為の方便として使
われているようです。蓄財や教育は、必ずしも他人を益するものではないのです。
国家は、気の良い労働者層の地位こそ守るべきなのです。ドイツではマイスタ
ー制度が、日本では累進税制が、これを守って来ました。アメリカでは、オーナ
ー・メカが主流です。本人が首を横に振っても、この層を経営陣に加えるべきな
のです。戦後の優しい風潮が消えると、資産家やインテリは容赦なく牙を剥きま
す。利益や名誉や、若い女や、成功の機会まで奪って行きます。さすがの気の良
い労働者層も、勤労意欲も、購買意欲も失ってしまいます。そうなれば、国が傾
いてしまいます。
油断なく生きるよりも、油断できる社会の方が栄えるのです。蓄財や教育は、
ある種の不幸が生むものです。累進課税や、法人への高い税制を復活させ、学歴
だけで地位や収入を保証せず、職人や作業員に昇進の機会を与える事。それが繁
栄を長続きさせる道なのです。