狙われるチマ・チョゴリ
朝鮮時報、柘植書店、1990、
震災直後の虐殺 1923、九月
一日、午前十一時、地震。午後四時、不逞者を取り締まる司令。
二日、朝鮮人保護検束。
三日、内務省警保局長名の電文。
「東京付近の震災を利用し、朝鮮人は各地に放火し、不逞の行為を遂行せんとし
て、現に東京市内に置いて爆弾を所持し、石油を注ぎて放火する者あり。既に東
京府下には一部戒厳令を施行したるが故に、各地において充分周密なる視察を加
え、鮮人の行動に対しては厳密なる取締を加えられたし」
報道機関は壊滅、これは唯一稼働していた船橋の東京海軍無線送信所から全国
に電文。
元読売編集局長、鈴木東民著「衆愚」より以下
「朝鮮人三百人の一隊列が機関銃を携えて代々木の原を進撃中」「朝鮮人の婦女
子が毒物を井戸の中に投入しつつあり」といったビラが麗々しく、いたる所の交
番に貼られていた。
戒厳令発令。
水野錬太郎、内務大臣、旧朝鮮総督府の政務総監。
赤池濃、警視総監、旧朝鮮総督府の警務局長。ふたりとも三一運動を抑圧した当
事者。
警察の指示の下、在郷軍人会や青年団を中心に自警団を結成。朝鮮人狩りを行
う。六千人以上を虐殺。 所感、水野、赤池両氏は朝鮮総督府の引き揚げ組で、
彼国の蜂起を見てきた。しかし、自国の朝鮮人と在日の朝鮮人とでは立場が異な
る。在日の朝鮮人に武装蜂起する理由も必要もない。過剰反応である。
日韓条約締結前の暴行殺傷
六二年、十、十一月、翌六三年、四月から七月。
62.6/26、愛知事件、名古屋の暴力団十八人が朝鮮学校に乱入。
62.1/13、神奈川事件、朝高生が法政第二校生にライフルの銃床で殴られて死亡。
ほか、小金井事件では、ナイフで肝臓を刺し、えぐって重傷を負わしている。
概要、右翼団体と国士館高校生が連絡を取って行動、法政第二高校も。攻撃は
前触れなく、不意で無情。警察は加害者をすぐ釈放、被害者は長く拘束。マスコ
ミは加害校を匿名、被害校を実名で報道したので、朝鮮学校は凶暴で喧嘩ばかり
しているという印象を世間に植え付けた。
八七年KAL機事件
中学、高校の女生徒が、紐で首を締められる事件が多発。
パチンコ疑惑キャンペーン
真藤恒NTT会長、熊取谷稔コスモEC社長、碓井優コスモエイティ社長、藤
田史郎NTTデータ通信社長ら真藤グループ、プリペイド・カード導入構想を警
察に持ち掛ける。
平澤勝栄・保安課長、日遊協会長・松岡栄吉とプリペ発行で協力。
88.7/8 | 平澤課長、共通カード発行への協力を全遊協に求めるが難色。 |
88.10/ | 日本レジャーカードシステム会社、警察庁、大蔵省の肝煎りで設立、 株主はNTT、菱商、住銀、フジ銀、一勧、二番目にたいよう共済。 |
89.8/17号 | 文春、パチンコ疑惑キャンペーンの開始 |
89.8/31号 | 文春、要望書の写真を掲載、この要望書は警察に提出したもので、 ネタ元は警察=公安筋。 |
同時期 | 読売、産経が続く。 |
89.10/10 | 毎日も続く。以下、全マスコミによるキャンペーン。格子は、 パチンコ業界が社会党に政治献金を送っている。 また、総連は北朝鮮に工作資金を送っているというもの。 |
89.10 | 日本ゲームカード会社設立、住商、イト忠、三和、協和、たいよう共済が 株主。副社長として高田朗雄、関東管区警察局長が就任。 |
89.10/17 | 衆議員予算委員会、浜田幸一「総連は危険な団体か、非常に危険な団体という事か」 古賀宏之、公安調査庁次長「おおせの通りと考えている」 |
10/20 | 衆議員予算委員会、前島栄三郎「総連幹部が北朝鮮の議員を兼ねているのは本当か」 城内康光、警察庁警備局長、帰国した人間や死亡した人間の名前を上げて「七人いる」と答弁。 城内、若王子誘拐犯は日本赤軍とガセリークした前科、 警視庁退官時、三十年間マスコミに本当の事を喋べった覚えはないと豪語。 |
10/31、11/01 | パチンコ集中審議、自民党による北・総連悪者説。 古賀「朝鮮総連は北朝鮮ときわめて密接な関係があり、 今後、暴力的破壊活動に出る危険性なしとしない」 |
10/18 | 北海道、バスの運転手が高校生に暴言、場所を指図。 |
10/24 | 東京、女子高生、五十男に蹴られ、チマ裂かれる。 |
10/31-11/14 | 東京、女子高生、尾行された上、自転車で追跡、蹴り倒して往復ビンタ、逃走。 |
11/5 | 和歌山、小学生、お母さんが死にそうだから車に乗れ、と誘拐未遂。 |
11/7 | 愛知、女子高生、傘で突かれる。 |
11/8 | 小学一年生、電車で大人に倒され、背中を踏まれた。 |
寸評
チマ・チョゴリ事件自体がデッチアゲだったという流説もあります。しかし、東大阪市で設計事務所を営むコリアン二世の方が、
何の関わりもない高齢者の方にいきなり刺殺されたという事件は本当であり、
大正、昭和ヒトケタ世代の高齢者の在日コリアンに対する偏見、蔑視は、そうとう根強いものがあると思います。
大蔵官僚、警察官僚が、パチンコ業界の利権に喰い込もうとしたのが骨子であり、
「あしなが育英会」に対する時もそうでしたが、その過程の醜さは、眼を背けたくなる程です。
いっそのこと、特殊法人は全部なくしてしまえというのは、気持ちの良い事だと思います。
関東大震災の時に実際に起こったのは、次のような事件です。思想家の大杉栄、
妻の伊東野枝、甥の橘宗一ら家族が甘粕正彦大尉率いる憲兵隊により拉致拘束。
午後八時、憲兵官舎内にて絞殺、死体遺棄。後に甘粕は警察に逮捕されてます。
震災が9/11、殺害が9/16です。
参考
松岡正剛の「大杉栄自叙伝」 詳しい。
大杉栄と在日コリアン 怪しい。
谷底ライオン 甘粕正彦の紹介、甘粕の背後に水野錬太郎が。