ゼニと世直し
青木雄二、大和書房、1998、
マンションのホンマの値段を教えたる。みんな、びっくりするでえ。一千万で
も高すぎる。
公団、事業団、金融公庫などの特殊法人、公益法人の理事長、役員はすべて天
下り官僚で占められている。
資本家は事業の成功と引き換えに、優しさと人間性を失う。
モーニングを着たまま、泥にはまった仔豚を助けたリンカーン。政治家は人間
性を失ったらあかん。
銀行の資金注入は、大衆による銀行打ち壊しを未然に防ぐ策や。
市バスの運転手年収二千万、給食のおばさん退職金七千万。
寸評
「ナニワ金融道」の青木雄二さんの挑発的なエッセイ集です。
バスの運転手は、ドライバーの王様、多勢の命を預かっている訳だし、そこそこの収入はあって良いと思います。
給食のおばさんは、教頭や校長先生よりも、ずっと働いていると思いますよ。
むしろ、名誉職よりも、本当に必要な労働こそ高く評価されるべき。御飯を作る人を安く叩いて、
ただ食べるだけの人を持ち上げる風潮が、日本をおかしくしたのです。
地道な労働に、希望を見出せるような世の中でないと。
ゼニ論十番勝負
青木雄二、ザ・マサダ、1999、
人間のし上がろうと思えば、得意で好きな事を仕事にするに限る。
人が言わん事を言う、やらん事をやれば、仕事が向こうからやって来る。
地方の景気の悪さは、東京、大阪の比やない。
サラリーマン人間に仕向けているのも政府の陰謀、泣き言いわずに戦わんかい。
行内預金は10％増し。
柳眉、豊頬、大耳、鞭体、清声、この半分でも金貸して良い。
舞鶴の農地、坪千三百円。三百坪で四十万。
あせって動くのは小者のする事、じっと勝機を待てる人間を目指せ。
初期の共産主義大会は肉体労働者をトップに据えた。20回か22回の時から
インテリを入れておかしくなった。
半端にやられるより、とことんやられた方がええ。最初から出直した方が道は
開ける。
シティグループ、二千万以上の預金者にはパーティ招待。
教育で大事なのはどうやって生きてゆくか、読み書きやそろばんだけで良いと
いうのは愚民政策。
日本人は平和ボケしていると言われるが、明治以来、世の中の仕組みを考えた
事がないのだからボケるに決まっている。皮肉を込めて言うなら文部省教育の勝
利。世の中の仕組みを教えないで、国語や算数ばかり教えてきた。逆だ。初等教
育で大事なのは、どうやって生きてゆくかという事。読み書きやそろばんだけで
良いというのは愚民政策。
黒田清 「僕は、ようお酒飲むし、月に二、三回新地へ行くでしょう。その程
度のお金さえあれば、ええねん」 所感、妻への罪滅ぼしのつもりでフェミニズ
ムに邁進すると語っていたのは、どうなったのか。
王子動物園の亀井一成、作業服着てるのは偉い、園長より偉い。
江戸時代、大阪に182ある橋のうち公が作ったのは12
寸評
関西のジャーナリスト黒田清は口だけフェミニストです。
女にカミカゼ特攻をさせて、陰で笑っているような人間です。
突破力
中坊公平、佐高信、徳間書店、1999、
ひ素ミルク中毒患者タケオ君、てんかん発作、抗てんかん剤で歯がない、十七
で死ぬ、おかあ、まんま、あほう、の三語。
法廷侮辱罪は突っぱねる。裁判官に対する「忌避申し立て」はすぐ却下される。
「訴訟指揮に関する意見書」は最高裁までそのまま上がって行くから、好きな事
が書ける。
寸評
バブル処理と無責任批判の雄、中坊公平さんの本ですが、決定版ではありません。