居酒屋
エミール・ゾラ、田辺貞之助、河内清、筑摩書房、1974、
貧乏所帯を守るジェルヴェーズ、息子クロード八つ、エチエンヌ四つ。帰らぬ
ランチエを待って夜明かし。パリの朝の風景。困った事があれば相談に乗るとい
う陽気なブリキ屋のクーポー。
帰ったランチエを涙で迎えるジェルヴェーズ、まだ二十二才。パリに出て、す
ぐに仕事を見つければ良かったと責める。お前もあの金をかじったじゃないかと
返すランチエ、二十六才。アデールと浮気。ひどく疲れて、投げやりになると眼
に付くジェルヴェーズのびっこ。
質屋行きを強いるランチエ、俺を喰わしていると言いふらかすのが気に入らな
い。
フォーコニエの洗濯場へ出勤。プラッサンの田舎町、十の時から川で洗濯をやっ
たというジェルヴェーズ。十四で子を産み、ランチエの母の遺産1700フランでパ
リに出た。夕食、馬車、時計、衣裳、二ケ月で底。アデール、ヴィルジニィ姉妹
の話。
そこへ大女ヴィルジニィの登場、さらに二人の息子。パパはトランクを馬車に
乗せて行っちゃった。自分の着物の代金を馬車賃に当てたのだ、質屋に行かせら
れた事が悔しく、涙ぐむジェルヴェーズ。慰めるボッシュのかみさん。笑うヴィ
ルジニィに何も言わず水桶をかけるジェルヴェーズ。
十二にならないうちに兵隊の藁蒲団、こいつは片足を田舎に置いて来た、あの
人はお前には立派すぎたんだ、二人の子のうち一人は憲兵のと毒付く、ヴィルジ
ニィのパリの啖呵。この売女と繰り返すしかないジェルヴェーズ、青い染料の入っ
た桶を投げる。水の投げ合い、反則で煮え湯を投げたヴィルジニィ。掴み合い。
小柄だが力で勝るジェルヴェーズ、相手の胴をつかんで逆さにし、剥いた尻を洗
濯棒で叩く。田舎の洗濯歌。「ぱん、ぱん、マルゴーは洗濯場へ。ぱん、ぱん、
悩みの為に真っ黒な。心を洗いに参ります」
三週間後、コロンブ親爺の店で酒浸けの梅を食べるジェルヴェーズとクーポー。
もう二度と男は御免だというジェルヴェーズ。夕方の雑踏、一般的な労働者。一
ポンドのパンを買い、レストランで六スウの定食。八百屋ではじゃが芋の揚げ物
とパセリ付き淡菜。紙に包んだカツやソーセージを食べる子供達。ヴィルジニィ
は界隈から出ていったという話。
カデ・カッシ（＝黒すぐり酒）と呼ばれるクーポー。梅は食べても露の飲めな
いジェルヴェーズ、梅酒は良いがブランデーは飲まないクーポー。中庭にある蒸
留装置の説明。
グート・ドル街の六階立てのマンションに見取れるジェルヴェーズ。
勿体を付けるジェルヴェーズ、ある夜、ドアの前で二時間も泣き続けたクーポ
ー。まるで病人のよう。朝まで議論、手を握るだけで満足して帰るクーポー。
姉ロリユ夫妻への引き合わせ、マンションの七階、右に、左に曲がる廊下。自
宅で金細工、煤けて、焼けて、とても奇麗じゃない。しっかり者だと言いながら、
流し眼を使ったり、唇をすぼめながら話す姉。
親方から50フラン借りての結婚式。クーポー母、ロリユ夫妻、ほか七名の一行。
市役所から教会へ。さらに料亭「銀風車」で軽食、人数が増える。夕立、酒場の
軒先で雨宿り。ルーブル美術館、ヴァンドーム広場を散策。夕方六時、「銀風車」
で披露宴。素麺入り野菜スープ、肉入り饅頭、兎のシチュー、若鶏の丸焼き、デ
ザートは雪卵と果物。パンを追加させる大食漢のメ・ボット、コーヒーとコニャッ
ク。勘定でひと騒動。
労働の四年間、界隈随一の良い夫婦。プラッサンの紳士が、クロードの絵の才
能に惚れて引き取る。フォーコニエ夫人の所で十二時間の労働。ホテルを引き払
い、馬車屋の中庭をはさんだ二階屋に引っ越す。若い女の喜び、田舎に帰るよう
な思い。
大切な家具、わずかな掻き傷にも胸が痛む。ナナの出産。産婆がいなかったら、
あれは起きて台所仕事をするだろうと言うクーポー。
隣のグージェ母子。父は酔って人を殺して自殺、その負い目でひっそり暮らす
母子。息子グージェは二十三才、ヘラクレスのような大男で立派な髭を持ち、グ
ール・ドル（＝黄金の口）と呼ばれていた。母は刺繍、息子は鍛冶屋、貯蓄あり。
ジェルヴェーズを姉のように扱う、大柄だがはにかみ屋のグージェ。
十二月の暴動を見物に行ったカデ・カッシ、あわや警察に捕まる所を、グール・
ドルがその巨体で救う。
さらに三年、振り時計を買うジェルヴェーズ。貯金も溜まった。グート・ドル
街のマンションの一階の店舗が空いている。
五月の夕暮れ、四階建て家屋の屋上でブリキの樋を熔接するクーポー。高所で
危険を顧みない、熟練さを示す。そこへジェルヴェーズ母子、空と地の間の雀さ
え行かないような所に夫が吊り下がっているのを見て、全身の血が凍るよう。最
後に煙突の笠を付ける作業、そこへ娘の声。かるい傾斜の屋根を滑り、地面に落
ちるクーポー。病院にはやらず、自宅に引き取るジェルヴェーズ。
一週間の危篤、片脚を折り、心臓が外れた。夜も眠らず、獣のように誰も近寄
らせずに看病するジェルヴェーズ。四ケ月の回復期、開店資金を喰い潰す。家事
や水汲みを手伝うグージェ母子。ジェルヴェーズの看病ぶりに感動するグージェ、
これほど立派な女は見た事がない。
仕事に復帰するジェルヴェーズ、六ケ月も養生するクーポー。500フランの出
資を申し出るグージェ。
労働者上がりの大きな手をした家主マレスコ氏、修繕費は誰が出すかという話
で揉める。番人のボッシュ、うなづいてクーポーを助ける。
四日で仕上がる筈の造作、ジェルヴェーズの気紛れで三週間かかる。加えてク
ーポーが職人を飲みに誘う。いつまで掛かるかと思われたが、突如二日で終了。
眼の覚めるほど美しい店、青い看板に黄色い文字で「高級洗濯所」
あの文無し女が、青い店を持つなんて、正直な人々をがっかりさせようとして、
わざとやった事だ。腹が立って死にそうな程のロリユ夫妻。
悪口に取り巻かれながら、店の前で愛想よく振る舞い、知った人に挨拶するジェ
ルヴェーズ。親切だという近所の評判、美しい眼を持っている事は一致した意見。
よく働き、舌が肥えてきたジェルヴェーズ。
六月の午後、垂直な太陽、地面は強烈な照り返し、その反射が店の天井に踊る。
シュミーズ一枚で鏝を当てるジェルヴェーズ、ビュトワのかみさん、大柄で腕の
良いクレマンス、薮睨みのオーギュスチーヌは見習い。クレマンスの逞しい胸や
肩。酔って帰ったクーポー、ジェルヴェーズにいちゃつく。あしらいながら鏝を
当てるジェルヴェーズ、下着の癖で持ち主が判るほど仕事に通じている。ブラン
デーは飲んでないと誓うクーポー、今度はクレマンスに近付く。「奥さん、旦那
があたしに付きまとうのを止めさせて頂戴」 ２スウの見物料を取って、その肩
を見せたり、触らせたら良いとクーポー。
十日に一度、グージェの訪問。片すみに腰を降ろし、ジェルヴェーズを眺めて
いるだけで満足。ボルト工場で12フラン稼ぐグージェ、息子のエチエンヌをふい
ご役に引き取る。聖処女のように愛されるジェルヴェーズ、困った事があると鍛
冶工の事を思い、それが慰め。
六つになったナナ、娘ながら近所のガキ集団の親分格。染め物屋の排水の中を
遊んで、脚を赤や青に染める。マンションも揺らぐばかり。
たらい回しにされるクーポーの母、ジェルヴェーズが引き取る。これで長姉の
ルラ夫人も味方に付ける。勘定は払い、値切らないジェルヴェーズ、界隈の評判。
息子を口実に、グージェの働くボルト工場を訪ねるジェルヴェーズ。町はずれ
の工場街、でこぼこの舗道。夕闇迫り、薄暗い工場の中を赤い火を目指して進む
ジェルヴェーズ。グージェと、逞しくなったエチエンヌ。巨人のようなグージェ、
鍛えた六角ボルトは片すみに投げ出されて消える。一日300本は仕上げる。十五
年もこの仕事をして鉄のような腕をしているグージェ、がっしりした男でも五年
で参らせてしまう仕事。
グール・ドルとベック・サレのボルト打ち競争。たった一人で40ミリのボルト
を仕上げるのは見た事がない、ましてこれは難しい仕事で、頭を丸く仕上げるの
に苦労がいる。二本の鉄槌から一つを選ぶ鍛冶工。初手はベック・サレ、その鉄
槌はモンマルトルの踊り子のように撥ね上がり、息を切らして仕上げたボルトは
こぶの付いたような頭。ついでグール・ドル、その鉄槌はメヌエットのように落
ち着いた拍子、寝台ほどの広い胸、美術館の巨人のような美しさ。仕上げたボル
ト頭は一点の傷もない、文句の付けようがなく、その前に膝まづくべきもの。ふ
たりの男が力を競う、ジェルヴェーズの優越感。
頭上をかすめるベルト装置、そこから工場の案内。釘製造機、ボルト製造機、
半日で数百トンのボルトを作る。労働者を殺す機械、すでにグージェの日当も日
12フランから９フランに削減。「こいつが僕らを殺す、しかし、みんなの幸福に
役立つ」 あなたの仕上げたボルトは、芸術品のようと慰めるジェルヴェーズ。
グージェ夫人に洗濯物を届けるジェルヴェーズ、借金は減っていない。グージェ
のワイシャツを仕上げるひそかな喜び。
空いた隣家を借りているヴィルジニィ、29才、警官ポワソンの妻。昔の事は水
に流して、新たな友情。
冬の気晴らし、女工とともにコーヒーを飲む事。通りがかりのヴィルジニィも
交えて、無駄話。ランチエの話題を恐れるジェルヴェーズ。鏝を使う洗濯所は、
界隈の寒がり屋の非難所。常連ができてサロンのよう。外で震えている人を見る
と呼び込んでやらずにいられないほど、親切で世話好きのジェルヴェーズ。
ブランデーを飲み出したクーポー。
暴力癖のある七階のビジャール、奥さんを殴り付け、さらに腹を蹴って死亡さ
せる。それを見ているしかなかった四才の幼女ラリイ、さらに幼児ふたり。
6/19はジェルヴェーズの祝日、一ケ月前から御馳走の準備。親戚、従業員含め
て十四人の招待客。遅れるクーポー、近所をうろつくランチエ。グージェ母が欠
席して十三人、こうした事は馬鹿にならないと退出しようとするピュトワ。何と
かなると、浮浪者のブリュ爺を呼び入れるジェルヴェーズ。
メニュー、麺入り野菜スープ、仔牛肉入りサラダ、豚のエピネ、脂肉入り緑豆、
12ポンド半の鵞鳥、最後はワインの大盤振る舞い、匂いが漏れて近所の人も酔い
心地。
デザートは莓とサヴォワの菓子。ひとりづつ歌い出す招待客。クーポーの歌に、
界隈の人々も唱和する。
土曜日、ランチエを連れて帰るクーポー。今じゃ妹だと言うランチエ、太って
いるが相変わらず美男子。帽子工場で監督をしていた、今は休んでいるが、大手
の帽子会社から招聘されるのを待っていると言うランチエ。
頻繁に顔を出すランチエ。ふたりの女工を誘惑し、ボッシュ夫妻には世辞、ロ
リユ夫妻には上品な紳士ぶりを見せ、界隈を征服。クーポー宅で間取りを計り、
住居をほしがるランチエ。居候を勧めるクーポー。引っ越し。
労働者の味方を自任しながら、のらくら暮らすランチエ。「スカートに囲まれ
てでれでれし、最も女のたくさんいる所にもぐりこみ、淑女ぶらぬ女達と付き合
うのがたまらなく好き。この洗濯屋は、彼にとっては夢に見ていた巣であり、長
いあいだ探し求めた、安逸と悦楽の隠れ家」
いつまでも気を許さないジェルヴェーズ、後ろを通りざま首筋に息を吹きかけ
るランチエ。無理に接吻しようとさえしたが、グージェの訪問で救われる。
ジェルヴェーズとグージェの会話、あんたは俺を苦しめているとグージェ、弁
解するジェルヴェーズ。始めて手を握る二人。故郷のベルギーへ駆け落ちしよう
と勧めるグージェ。お互いに尊敬していれば、報いがあるとジェルヴェーズ。
金があると外食するランチエとクーポー。道楽と仕事は一緒にできず、段々と
横着になるクーポー。ある夜、酔って帰り、吐いて寝台を汚してしまう。そこで
寝られず、やむなくランチエの寝室に行くジェルヴェーズ。
クーポーが酔って帰る度、ランチエの寝室に行くジェルヴェーズ。腕も落ちて、
グージェ母からの注文はなくなる。あらゆる事を鼻の先であしらうジェルヴェー
ズ。「ついに人々は、三週間も一足の靴下を催促するのに飽き、先週の日曜の油
のしみの付いたままの下着を返される事に飽きた」 つけが溜まって、石炭屋、
乾物屋、果物屋の前を通れなくなる。
亭主気取りのランチエ、亭主が二人いるのと同じ。金遣いが荒いと、二人して
ジェルヴェーズを叱る。
破滅を予感したランチエ、店を持ちたいというヴィルジニィに近付き、巡査の
ポワソンの機嫌を取る。クーポー母の葬儀、溜まった家賃。二人に責められて、
店を手放すジェルヴェーズ。
七階の新居、田舎で出稼ぎしてきたクーポー、ランチエの勧めで乾物と菓子店
を開くヴィルジニィ。居候はそのまま。「この性悪な男はいまだクーポー夫妻に
たかりながら、早くもポワソン夫妻を喰い物にしようとしていた。彼に取っては
何でもない事。ひとつの店を喰いつくして、次の店に手を付けただけ。運の良い
男とは、こういう男だけだ」
ナナ十三才、聖体拝領。「おい、いつかの日曜のように、紙の玉で胴着に乳を
作るのかい」と娘に毒づくクーポー。
良い条件で迎えられたフォーコニエ夫人の所でも、受けの悪くなるジェルヴェ
ーズ。家計が少なく、冬には凍える家族。顔を合わせば毒づき合う親子。虐待を
受けるラリイ。アル中気味のクーポー、矯正所に出入り。
珍しくサーカスに行こうと誘うクーポー、やはり飲んでしまう。迎えに来たジェ
ルヴェーズ、腹いせに一緒に飲んでしまう。
十五才のナナ、舌を出す癖。両親に叱られる毎日。外を歩けば、ポーリーヌと
二人で怖い者なし。一緒に大きくなった近所の青年と暗がりで接吻をするが、そ
れ以上の事はしない。「わきまえもなく馬鹿な真似をするには、あまりに悪がし
こかった。ただ人が根も葉もない取り沙汰をするだけだった」
辻芸人を楽しむ毎日、ただ父親が来ると、殴られるので逃げる。
ルラ夫人が長を勤める造花工房で働くナナ。同年輩の八人の女工と喋べりなが
らの仕事。隣の女が男を知ると、鼻をひょこつかせるナナ。
工房の前で、誰かを待ち伏せる老紳士。「レオニイの隣の丸ぽちゃの娘が、何
か彼女に耳打ちした。するとレオニイは急にばか笑いの発作を起こして、椅子の
上にのけぞり、腹をよじりながら、男の方を見やって、いっそう激しく笑った。
『なんと言ったの、なんと言ったの』仕事場じゅうが、好奇心に燃えてたずねた」
ナナをつける老紳士、まんざらでもないルラ夫人。ナナの持つ指輪やアクセサ
リーを取り上げるクーポー。
やり切れない冬、毎晩わけもなく平手打ちを喰らうナナ。アクセサリーはすべ
て取り上げて売り払う、アル中の両親。ナナの家出。籠を開けられたカナリヤの
ように、このアパートでは娘の家出は珍しくない。ちんばは娘を売ったとロリユ
夫人。
だらしなくなったジェルヴェーズ、鏝かけを止め、洗濯婦、掃除婦になる。以
前より太って、びっこもひどくなり、「誰かのそばを通ろうとすると、必ず相手
を突き倒してしまうほど」
ボンボンやチョコレートを食べながら店番をするランチエ、客のいる前でも平
気で一瓶開けてしまう。ランチエの世話でヴィルジニィの店の床掃除をするジェ
ルヴェーズ。そら右、そら左と指図するヴィルジニィ。ランチエに目配せ、男は
その腿を撫でる。ナナが年寄りを連れ回しているのを見たというポワソン。
年寄りを振って若い男と駆け落ちしたナナ、そこらの舞踏場の常連。
食べ物も出す舞踏場、ナナを見つけて連れ戻す夫婦。再び元の生活、再び家出。
景気の良い時と悪い時があるナナ、何ケ月も姿を消して、ひょっこり帰宅する。
殴られるのを宿賃と心得るナナ。羽根の付いた帽子、飾り沢山のドレスで帰る事
もあるナナ。またしても家出、良家の坊ちゃんを捕まえたようだとランチエ。
請求書の溜まるヴィルジニィ、今度は肉屋の娘に眼を付けているランチエ。
飲み代を取り合う夫婦、帰らないクーポー。すべてに馴れても、食べない事に
は馴れる事はできない、ロリユ夫妻に物乞いするジェルヴェーズ。瀕死のラリイ。
金はなく、妻を見れば殴りかかるクーポー。一文もなく、街角で客を引くジェ
ルヴェーズ。何人目かに声をかけたのはグージェ。グージェ宅でシチューを頂き、
大粒の涙をこぼすジェルヴェーズ。立ってブラウスのボタンに手をかけるのを停
めるグージェ、僕達の間はこれで充分と軽い抱擁。礼を言って去るジェルヴェー
ズ、寝台に伏せてすすり泣くグージェ。
息子エチエンヌからの送金。妄想癖の出たクーポー、入院。様子を聞く為に、
回りから歓迎されるジェルヴェーズ。
胴体はしゃちほこばって、手足だけが芸をするクーポーの病状。その最後、
「帽子屋だ、帽子屋だ、俺達の仲はお前を始末しなきゃ終わらないんだ」と虚空
に拳を振るって息絶えるクーポー。
調子のおかしくなったジェルヴェーズ、頼まずともクーポーの真似を見せてく
れる。わずか10スウの代わりに、得体の知れない物さえ食べる。死後二日目に発
見されるジェルヴェーズ。葬儀屋のセリフ、「わたしがご婦人がたの慰め役、ビ
ビ・ラ・ゲーテだ」
参考
SYUGOcom 浅倉秀吾によるゾラとフランス文学のサイト
寸評
マルゴーは洗濯場へ。ぱん、ぱん、悩みの為に真っ黒な。ぱん、ぱん、心を洗
いに参ります。